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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル 嵐電沿線地域の生活と観光
内容 本論文では、嵐電沿線地域の生活と観光の共生は図れているか、というリサーチクエスチョンを立て、嵐電とその沿線地域の発展や歴史と共に執筆している。
それを考察するにあたりまずは嵐電沿線地域の形成や観光業、地域活動を調べた。調査としては右京区のローカルメディアである「右京じかん」という冊子の編集をされている方と、嵐電沿線地域に住む若者6名にインタビュー調査を行った。
結果として観光業に関わる企業が観光業と地域活動をバランスよく行うことがその共生に繋がるということが分かった。嵐電沿線地域で観光業に関わる嵐電や映画村は観光と同様に地域活動にも重きを置いており、これはかつて村として存在していた地域ならではの深いコミュニティのあり方が影響しているのではないか。世代を超えて長く住み続ける人が多い嵐電沿線地域の住人は地元に対する愛着を持っているケースが多い。つまり京都市でも右京区でもなく「嵐電沿線地域」独自のアイデンティティが根強く生きているということを発見することができた。
講評 京都市右京区の嵐電沿線地域は、高度経済成長期に人口が急増した郊外地域であるが、観光開発と地域コミュニティ形成が同時に進んできた点が特色である。この地域を地元とする筆者は、観光開発の有力企業である京福電鉄や太秦映画村が、地域コミュニティ形成に果たしてきた歴史的役割を整理し、「嵐電沿線地域」に独自の地元意識が存在している点に着目している。この点を明らかにするため、右京区のローカルメディアへの取材、嵐電沿線地域を地元と捉える若者6人を対象にしたインタビュー調査を行っている。地元意識を捉えるさいに、若者それぞれが地元と認知する範囲を描いてもらい、比較分析している点に工夫がみられる。それによると、「地元への愛着」は、地元コミュニティとの関わりの深さに相関するが、地元の範囲についてはそれとは関係なく、「交通機関を利用せずに移動する範囲」として捉えられているという。論文全体を貫く問いが見えにくいが、「嵐電沿線住民」の若者の地元意識の実態の記録として興味深い。
キーワード1 嵐電沿線地域
キーワード2 生活と観光の共存
キーワード3 若者と地元
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