詳細 | |
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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | SNSの発展がもたらすコミュニケーションの変容 |
内容 | 本研究の目的は、今日では必要不可欠となっているSNSというツールによって、私たちのコミュニケーションの在り方はどのような影響を受けているのかを明らかにすることである。研究手法としては、SNS利用者は数種類の類型に分かれるという仮説のもと、全類型を網羅できるよう選出した8人の若者にインタビュー調査を実施した。 今回の調査では、「SNSで発信する/しない」「SNSで閲覧する/しない」という2つの軸でSNSの利用方法を分類することで、「無関心型」「自己発散型」「時間消費型」「鎖国型」「承認欲求型」という5つの類型が浮かんできた。さらに、Twitterにおいてアカウントを8つ使い分けるという特徴的な利用方法をしているインタビュイーの事例から、SNSというツールは、多元的自己とは異なる、取捨選択的な状況志向のコミュニケーションを生んでいることが明らかとなった。 |
講評 | 日本の若者研究の文脈では、SNSの多くのアカウントを使い分けるような若者の自己呈示が「多元的自己」というアイデンティティ類型と結びつけて論じられてきた。ところが、筆者は、これに対して、複数のアカウントを持つという事情は多様であると疑問を呈し、8人の若者へのインタビューを通して、若者のSNS利用の仕方からうかがえる人間像とリアルな場のコミュニケーションからうかがえる人間像とが乖離している点を指摘する。若者のSNS利用をする人としない人の違い、さらにはその利用についても発信と閲覧という二つの軸の独自の類型論を工夫している点、アカウントを多元的に使い分けるというより、状況に対応して使い捨てて乗り換えていくスマホ世代のSNS利用の特徴を注目している点は興味深い。ただし、少数を対象にした調査から、一般化を急ぎすぎているきらいがある。知見を説得的に展開するには、興味深い事象を絞りこみ、先行研究との関係を意識しつつ理論的に掘り下げて記述することが大事だろう。 |
キーワード1 | SNS |
キーワード2 | 状況志向 |
キーワード3 | SNS利用者の類型 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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