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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 離島における関係人口の創出と持続可能性 |
内容 | 日本にある離島の多くは、社会的・地理的条件の厳しさから人口減少が進んでいる。本稿では、教育・仕事・交通とハードルを抱えた離島において、一時的な関わりや、定住のような半永久的な関わりから視野を広げ、関係人口というキーワードに着目することで、さらなる持続可能性を見出すことを目的としている。文献での調査に加えて複数の離島を訪問し、ゲストハウス等の経営により訪問者の受け皿となっている3名の方にインタビューを行い、今後さらなる関係人口を創出するためのヒントを探った。 調査を通じて、多くの離島において、「人と繋がる観光」「オンライン」という視点で一般化できると考えた。「人と繋がる観光」は島に特筆すべき観光スポットがなくとも、訪問者の受け皿となる存在や訪問のきっかけを作る存在がいれば成り立つ。離島には、都市部の人々とは異なる価値観を持つ人や生き方をする人と繋がることができる魅力がある。そのための入り口として「オンライン」は交通のハードルが大きい離島において非常に効果的である。 |
講評 | 離島という条件不利地域において、定住人口増を政策的目標とすることは現実的ではない。むしろ、人口減少を前提として、その地理的な特色を生かし、ファンコミュニティを活性化させるという方向にこそ可能性がある。筆者はこの立場から、離島における関係人口形成の可能性を探る。コロナ禍にともなうフィールドワークの困難に直面しつつも、タイミングをみはからって香川県の直島・豊島、広島県の大崎上島を訪問し、ゲストハウス等において工夫しつつ取材をしている。そして、関係人口形成というプロジェクトがビジョンだけではなく、コロナ禍の苦境にさいしてのクラウドファンディングの成功など、具体的な成果ととともに描かれている点が興味深い。調査の結果から、「オンライン化」と「人とつながる観光」というキーワードを抽出して掘り下げる論理展開も良い。ただ、こうした新しい取り組みが離島住民の直面する社会的課題の解決とどのように結びついているのか、さらに発展して考えてみたいところである。 |
キーワード1 | 離島 |
キーワード2 | 関係人口 |
キーワード3 | 人と繋がる |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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