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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル メディアから見る現代の皇室の捉え方
内容 日本には古くから皇室が存在し、日本国の象徴および国民統合の象徴であり、国政に関する機能を有しないとされている。皇室は現在も日本の「象徴」として国民の中心にいる。そのため、皇室が何か行動するとそのたびに必ず新聞やマスコミなどに報道され、国民の目に留まる。しかし、近年皇室報道があるたびに報道が過熱傾向にあり、皇室は「消費財」として扱われることが増えた。しかし、戦前や戦後の時には現代のように皇室が軽視されることはなかったのである。そこで、本稿は対象人物を「雅子さま」として、新聞記事の資料分析を行い、具体的な記事内容から現代の皇室の捉え方を分析した。その結果、メディアによるイメージ作り、報道の境界線の曖昧さ、権力の変化、存在意義、皇室内における地位の重要性が示された。そして、それらの要素から現代では皇室の権威の低下と皇室内地位の格差があることが示唆された。しかし、これらの結果にはメディアによる影響力が大きいことは念頭に入れるべきであると考える。
講評 本稿はメディア論などで「ミッチーブーム」等で取り上げられてきた皇室の報道のされ方について、次の世代の「雅子妃」に焦点を当てたものであり、読売新聞と朝日新聞の2紙の中からキーワードで大量に抽出される記事を丁寧に読み込み、肯定派と否定派の新聞記事の言説分析を行っている。四半世紀のうちに皇室の描かれ方がどのように変遷してきたのか、象徴天皇制により、皇室に権力が付与されなくなった時代になり、徐々に「スター」のような消費財化された皇室の女性たちの表現の変遷を描いている。多様な記事の内容を分類するための枠組みを自身で構成し、分類後にこれらの記事から析出できるマスメディアと大衆と皇室の関係を概念化している。皇室が尊敬の対象ではなく、有名人としての消費財化することにより、地位の低下が見られ、それがエスカレートした結果、プライバシーを無視したような報道につながっていることを導きだしている。
キーワード1 皇室
キーワード2 メディア
キーワード3 権威
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