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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 結婚準備行動の有無がその後の恋愛や結婚に与える影響 ―結婚するためにしている行動の分析― |
内容 | 現在日本が抱える少子化問題の最大の要因として未婚化と晩婚化が挙げられるが、結婚したいと考える人は多く存在する。結婚意欲はあるが、結婚するために婚活パーティーに参加したり、異性を紹介してもらったりするなどの「結婚準備行動」をしている人は少ない。本稿では、結婚準備行動をしている人としていない人の特徴は何か、結婚準備行動の有無は結婚後3年以内の幸福度に影響しているかについて、明治安田生活福祉研究所の調査の二次分析を行った。分析した結果、男女ともに長時間労働をしているいわゆる結婚適齢期の正規雇用者が結婚準備行動をしていた。結婚準備行動をしていない人は、男女ともに非正規雇用者と結婚適齢期を外れている人であった。また、男性は友人関係・趣味の数・親子関係が、女性は友人関係が結婚準備行動の有無に影響していた。しかし結婚準備行動の有無は、恋人の有無や結婚後の幸福度に影響しないことがわかった。少子化対策として様々な婚活事業が行われているが、結婚するために結婚準備行動をしても、その後の恋愛や結婚に影響がないという結果が出たことは発見である。 |
講評 | 本稿は東京大学データアーカイブに登録されている2つのデータを用いて、二次分析を行ったものである。近年、若年層の結婚への関心の低さなどから、当該世代の人々の「結婚準備行動」の傾向、結婚前の行動と結婚後の満足度との関係について仮説を立て、分析を行っている。その結果、これまでの研究で長時間労働の問題や女性の上昇婚が議論されてきたが、本研究では労働時間が長い正規雇用者の方が短い非正規雇用者よりも結婚準備行動を行っていること、非正規雇用の女性の上昇婚指向がないことを見出している。また、結婚準備行動をしている男性は親との関係が、女性の場合、友人との関係が行動を動機づける契機になっていること、結婚準備行動と結婚満足度には関係がないことを明らかにしている。性差による結婚準備行動の違いは、今後の若年層の結婚支援策等に有効な知見であるといえよう。 |
キーワード1 | 結婚意欲 |
キーワード2 | 結婚準備行動 |
キーワード3 | 未婚化 |
キーワード4 | 晩婚化 |
キーワード5 | |
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