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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 藤本 昌代
タイトル オタクに対する世論の変遷
内容 本稿の目的はオタク文化がどのように日本国内において受容されていったのかを明らかにすることである。日本経済新聞の5年ごとの内容分析の結果、オタクに対する差別から受容への世論の変化は経済的合理性によるオタク文化とオタクの地位向上およびオタク文化の「国の文化」としての地位確立のためであることがわかった。オタク文化は2005年以降メディア融合のしやすさからさまざまな分野で経済効果を生み、経済的影響力を拡大していった。またSNSの普及や社会の個人主義化などの社会構造の変化によって、オタクは消費者また価値生産者として独自の影響力をもった。そしてオタク文化は若者による一過性の流行とは異なり海外からの高評価の逆輸入や文芸芸術での題材となるなど広く認知され、他の「若者文化」とは一線を画す「国の文化」になったのである。つまりこれらの要因によりオタクへの世論は「未知で理解できない存在」から「隣人で経済的恩恵をもたらす存在」へと変化したのである。
講評 本稿は日経新聞のデータベースを利用して、「オタク」に関する言説分析を行い、1990年代から現代に至るまで、どのタイミングで「オタク」が肯定的に表現されるようになったのか、時系列で分析している。「オタク」が否定的に捉えられていた1990年代、殺人事件や社会的に不適応な人々と「オタク」を関連付けるような記事が多く、社会的に否定的な視点が投げかけられていたのに対して、2000年初頭に海外でのアニメの経済効果が日本の中に伝わり始めた頃から「電車男」などの登場により、徐々に「オタク」のイメージが変わる過程を丁寧に描いている。近年には「オタク」の否定的な表現は消え、何かに詳しい人を指すような脱・否定的イメージで描かれるようになった経緯も示している。現代ではアニメをはじめとする重要な「国の文化」に詳しい人々としての地位を確立していることが明らかにされている。
キーワード1 オタク
キーワード2 文化
キーワード3 世論
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