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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 板垣 竜太・菊池 恵介
タイトル 追われゆく喫煙者 ??ラベリング理論から見る逸脱者の構築??
内容 近年、我が国ではタバコ規制が強まり、喫煙者への風
当たりは強くなっている。それに伴い、喫煙者を白眼視し、「逸脱者」と見なして非難・排除する論理が日本社会に存在する。そこで、現代日本社会で、肩身の狭い思いをしながらも喫煙を続ける喫煙者たちは、どのようにして現代のタバコ規制社会を生き抜いているのかを明らかにするため研究を行った。喫煙者8人に半構造化のインタビュー調査を実施し、その結果を逸脱理論の一つである「ラベリング理論」を基に分析した。インタビュー調査から見えてきたのは、周囲から非難や批判を受けながらも、非喫煙者たちに様々な配慮を行いながら、なんとかして周囲と折り合いをつけようと努める喫煙者たちの姿であった。また、喫煙者を「逸脱者」と見なす規範が形成された背後には、医療費の抑制と労働力の確保を目的とする日本国家による「健康の強制」と現代日本社会の「不寛容社会」化、「排除型社会」化という二つの要因が存在することが考察によって導かれた。
講評 喫煙者に対する風当たりは強くなる一方だが、本論文は、禁煙化を自明の前提とせず、社会学ならではのラベリング理論を踏まえた視点を設定した。そのうえで、この状況で喫煙を続ける人々を中心としたインタビュー調査を実施し、かれらが感ずる圧力や、そのなかでの切り抜け方を具体的に描き出した。調査の厚みという点では十分とはいいがたく、最後のかけこみで時間が不足していた分構成に改善の余地はあるとはいえ、タバコに限らず健康全般に、さらには不寛容化が進む社会のあり方にまで考察を進めた点で評価したい。
キーワード1 喫煙者
キーワード2 不寛容社会
キーワード3 健康の強制
キーワード4  
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