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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 板垣 竜太・菊池 恵介
タイトル 「担タレ」の社会学 ??アイドルの模倣と自己形成??
内容 本稿では、女性のジャニーズ「オタク」の日常に迫り、オタクの行動や態度をオタクたちの当事者の視点から実証的に明らかにすることを目指す。また、ジャニーズアイドルを模倣する「担タレ」のジャニーズオタクは、世間からの評価のように本当に特異な存在なのかを解明することを目的とする。20代の女性のジャニーズオタク8名に対して、「インタビュー調査」と「ファン日記調査」を行った。これらの調査結果から、二つの観点を取り入れ、ジャニーズオタクを三つのタイプに分類し、それぞれの特徴や実態に迫り考察した。調査結果より、ジャニーズアイドルを模倣する「担タレ」のオタクは、現在の日本社会が「個人化」が進行しているからこそ「絆」が強調されるようになったこと、そしてジャニーズ事務所がネットに進出するようになったことによって誕生したことがわかった。さらに、この「担タレ」のオタクの誕生は、社会化の始まりを示唆しているといえるだろう。ジャニーズアイドルを模倣する「担タレ」のオタクは、決して特異な存在ではなく、自己形成のために必要不可欠な普遍的な人間の在り方を体現していることも明らかとなった。
講評 アイドルの「オタク」というと、一般的には特殊な存在であることを前提に議論が立てられがちである。しかし本論文は「担タレ」(応援しているタレントに自分を似させていく人たち)という「ジャニーズ・オタク」について、タルドの模倣論に依拠しながら、個人を模倣するという点ではある意味「正常」な社会現象の一つであることを明らかにした点で意義がある。「リアコ」(アイドルにリアルに恋する人たち)もまたタレントの理想の女性像に自分を寄せていくという点で模倣の原理が見られるという指摘も興味深い。せっかく導入したファン日記というユニークな調査手法が十分生かし切れていないとか、考察に広がりがないといった不満はややあるが、社会学ならではの面白みのある論文だった。
キーワード1 オタク
キーワード2 アイドル
キーワード3 模倣
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