詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | JENNIFER MCGUIRE |
タイトル | 音楽を聴く大学生―調査を通して見えてきた音楽の2つ役割― |
内容 | 本稿は、日々の音楽聴取が現代大学生の音楽に対する考え方にどのような影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的としている。本調査では、半構造化インタビューを8名の男女の大学生に実施した。その結果、まず日常から音楽に関わる学生は5名いた。彼らは全員「音楽を聴く」ことが、自分の考え方に影響を及ぼす行為であると回答した。すなわち彼らは、音楽聴取は「自分のため」であると考えていると言える。ただその中でもこの5名の音楽に対する考え方は様々であった。その一方で、音楽に日常的に関わらない学生は3名いた。彼らは、「音楽を聴く」ことは他人とのコミュニケーションの為であると回答した。すなわち彼らは音楽聴取を一つの「ツール」とみなしていると言える。そして、こちらの3名の音楽に対する考え方はほとんど一致していた。よって今回の調査から、日常からの音楽聴取に関わる学生と、そうでない学生で音楽聴取に対する考え方が全く違うことが明らかとなった。 |
講評 | 今年度はコロナウイルスの影響で、ゼミ生は、就職活動、アルバイト、プライベートに於いて苦労したにもかかわらず、前向きな姿勢で一生懸命に頑張った為、全員(6名)が卒業論文を提出することができた。自分が研究したいことや関心を反映して、多様なものになった。研究テーマは、高等教育のマス期とユニバーサル期の比較研究、上海における母親の教育的願望と留学した子どもの性別の関係性、日本の大学生の「女性性」の認識とライフコースとの影響、Society 5.0における日本の労働市場に働く女性の展望、大学生にとっての音楽の役割、YouTubeを利用する現代日本の若者における思考法と行動様式、まで幅広い分野に渡る。多彩なテーマを取扱いながらも、ほとんどの卒業論文では社会学的又は人類学的なアプローチと理解が十分に見える。調査方法に関して、4名は半構造インタビュー、1名はグループインタビュー、1名は資料分析を行った。ほぼ全員が「考察」の執筆をすることに最も苦労した。特に質的調査で得られたデータを分析し、エッセイ的な主観的書き方ではなく、学術的な面から議論して新しい発見を述べることは大変難しかったようだ。さらに、タイムマネジメント不足から、ギリギリに書き終わり推敲する時間が足りなかったゼミ生がいた。その「時間切れ」がやや残念である。しかし、最終的にはどの論文も興味深く楽しく読ませていただいた。全員、今回の執筆の経験を卒業後にも生かして欲しいと思う。 |
キーワード1 | 音楽聴取 |
キーワード2 | ツール型 |
キーワード3 | 気持ち代弁型 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |