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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 起業動機と起業パフォーマンスの関係性
内容 日本政府はこの十数年、様々な施策を用いて起業活性化に取り組んできたがその成果は芳しくない。日本ではそもそも起業志望者が少ないといわれているが、その少ない起業志望者が更に年々減少しているというのが実情であり、GEM(2019)が行った総合起業活動指数の推移の国際比較によると,米国の指数は 15.6%,中国が 10.4%,英国では 8.2%であるのに対し,日本では5.3%である。このことからも日本の起業活動はその他先進国に比べて一貫して低い水準で推移していることが分かるが、ではなぜ日本では起業する人が少ないのだろうか。本論文では、オンライン上で60名の起業家の起業動機に関するインタビュー記事を集め、そのデータに更に継続年数という変数を追加してコレスポンデンス分析を行った。その分析結果を基に起業動機をそれぞれのカテゴリーに分類し、日本の開業率低下の実態や起業動機の分類、起業後のパフォーマンスについて論じた先行研究を参考にしつつ「起業動機と起業パフォーマンスの関係性」という論題を考察した。起業後のパフォーマンスを測る指標として本稿では成長率ではなく継続年数を使用することで既存の先行研究と異なるアプローチを目指した。
講評 筆者は、4回生から立木ゼミに所属し、4月からの1年間で卒論研究をまとめるという短期集中型の取り組みを行いました。60名の起業家へのインタビュー記事からキーワードを抽出し、さらに対象の企業の継続年数を別資料から渉猟して統合させたデータに計量的分析を加えました。すると、起業に積極的価値を置くほど、起業の継続年数が低く、ライフスタイル型発言が、中程度の継続年数、そして非自発(なりゆき)的発言が、最長の継続年数と関連しているという大変に意外な結果を見出しました。起業の成功は、起業家の側の要因よりは、起業する環境要因に左右されるという社会学的な考察に結びついた力作に仕上がっています。
キーワード1 起業家精神の形成
キーワード2 起業家教育
キーワード3 起業パフォーマンス
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