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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 介護不安が安楽死肯定態度に与える影響についての研究
内容 若者の数が減り,老人の数が増え続ける超高齢社会において,医療の発展は止まることなく進み続けている.その影響で健康に生きていける年数と病気のまま生き続ける年数には大きな差が生まれ始めている.若者の負担は増え続け,年金さえもらえるかわからず,さらには親の介護も担うことになるかもしれない私たち世代は多くの不安を抱えている.そういった不安を抱かせる社会になっている変化がデュルケムの自殺論の理論によると,不安につながり自殺率を高める要因になりうる.安楽死を自殺の一種とみなし,数ある不安の中でかならずいつか降りかかる介護の不安を細分化することでデュルケムの理論が現代でも正しいのかを研究する.インターネットを通じて調査用紙を配り,208人の回答を,重回帰分析で分析したところ,結果は自分が将来的に介護される状態になるかもしれないという不安が安楽死肯定態度に関わっていることが分かった.自分が安楽死を選ぶことを肯定する人は家庭を持とうという気概がなく,自立態度が高い人であり,デュルケムの自己本位的自殺の構図と似通った態度を持っていることが分かった.
講評 筆者は、安楽死の肯定に関係する要因についての綿密なラブラリーリサーチに基づき、概念を独自に尺度化して208名の主として若者層を対象にGoogle Formsを使って社会調査を実施しました。その結果、若者たちは「将来自分が介護を受ける立場になるかもしれない」という不安が、安楽死肯定と関連していることを見出しました。デュルケム自殺論の枠組みから、このような態度を「自己本位主義的自殺」として理解されるという考察を行っています。抽象的な概念を、地道に尺度化して計量し、社会にアプローチするという社会学的調査の好例となりました。
キーワード1 デュルケム
キーワード2 自分将来介護不安
キーワード3 安楽死肯定態度
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