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学科 社会学科
年度 2020
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 女子大学生のライフコース観・キャリア意識に与える母親の影響
内容 本稿の目的は,母親の態度が女子大学生のライフコース観やキャリア意識に影響を及ぼすのか,また母と娘の関係が親密的であるほどその傾向は顕著であるのかを検討することである.そこで,女子大学生を対象にWEB調査を行い,統計ソフトSPSSにて分析を行った.結果,以下のことが明らかになった.家庭を優先すべきと考える母親を持つ娘は,家庭志向なライフコースを選択し,ライフスタイル重視のキャリア意識を持つことが示された.また,経済的自立を促す母親を持つ娘は,職業志向なキャリア意識を持つことが分かった.しかし,自立性を尊重する母親を持つ娘は,就業継続を現実的に想定しない傾向にあるなど予想とは異なる結果が見られた.母娘の親密度によって影響の差異が見られるかを検討するため,親密度の下位概念である「母親への肯定的感情」,「母親の支配的態度」,「母親への服従的態度」の高低による比較を行った.その結果,「母親への肯定的感情」と「母親への服従的態度」の得点が高い群では,娘が親の影響を受けやすくなるという結果が一部確認できた.しかし,「母親の支配的態度」では,上記のような結果は見られなかった.
講評 筆者は、卒論研究がスタートした3回生の秋学期から計量的な家族研究を志し、綿密な文献レビューをもとに構成概念とその尺度化、ならびに概念間の関係のモデル化をもとに綿密なリサーチデザインを構築しました。Google Formsを使った社会調査で214名の女子大生から有効回答を得て、女子大生の職業観の因果モデルの検証を行いました。専業主婦モデル規範の高い母親では、予想どおり女子大生の家庭志向が強くなり、一方経済的自立規範の高い母親では職業志向の職業選択意識をもつことが確認されました。さらに母娘の親密度が母子間のキャリア意識の伝播にある程度関係することもつきとめ新たな発見をもたらしています。今後の立木ゼミの計量家族研究のお手本となるような素晴らしい卒論に仕上がったと思います。
キーワード1 母娘関係
キーワード2 女子大学生のライフコース観・キャリア意識
キーワード3 性別役割分業意識
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