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学科 | 社会学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 立木 茂雄 |
タイトル | 若者と年配者の関わりの実態に関するインタビュー調査を用いた実証研究 |
内容 | 本研究は、若者と年配の人との関わりの実態についてインタビュー調査を用いて、実証的に明らかにしようと試みるものである。社会構造の急速な変化に伴って、世代によってものの考え方や捉え方は大きく異なっている。10年、20年前は正しいと考えられてきたことが現在では間違っているとされることもある。さらに、日本社会は人口の4分の1以上が65歳以上の高齢者が占める超高齢社会に突入したとされ、年代別で見たときに世代人口は大きく偏りがみられる。このような社会背景の中で異なる世代同士がどのように関わりを持っているかを明らかにし、軋轢が生まれている場合にはその原因を探った。本研究では非構造化インタビューによる質的調査を行った。そしてインタビューのなかで得られたエピソードを記録し、そのデータに基づいてコレスポンデンス分析を行った。コレスポンデンス分析の結果、年配者と若者の間で発生するトラブルの傾向とその要因について明らかになった。年配者が若者に対して激怒する事例に関しては、若者の非に対して年配者が腹を立て、感情を抑えられなくなるという傾向が見られた。またコミュニケーションに関しては、若者は相互的なコミュニケーションを求めているのに対し、年配者は会話の意図や目的が意識されず、会話という行為自体が目的化しているといえる傾向がみられた。 |
講評 | 筆者は、年配者との関わりで、正負の強い感情的なやりとりのあった体験を男女12名の若者に語ってもらい、状況が3種類に分類されることを明らかにしました。①接客の場で年配者を激怒させた体験、②若者にとって「ほぼ異邦人」である年配者と相互的な交流が生まれた結果、好感をもった体験、そして③年配者から話しかけられたことによる困惑や煩わしさ体験の3つです。そして、最後の困惑の根底には、年配者の会話で生じる「会話自体を目的とするコンサマトリーなコミュニケーション」が、道具的なコミュニケーションと割り切っている若者との間に成立しないことに由来していることを示唆する興味深い考察を展開しています。 |
キーワード1 | 若者と年配者 |
キーワード2 | 激怒 |
キーワード3 | 会話の自己目的化 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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