詳細 | |
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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 学校における働き方改革 ―小学校における個別対応の事例からー |
内容 | 本研究では、教員の労働環境の厳しさは制度によるものばかりではなく、仕事内容に特有の大変さが存在するのではないかという問いを、児童に対する個別対応という切り口から明らかにした。小学校における参与観察を踏まえた考察の結果、個別対応が発生し業務が増えたときにも追加の人的資源を割く余裕がないという組織的な課題が見えてきた。教職員は、教職員同士のコミュニケーションや事務仕事、研修、休憩等を児童下校後に行うが、制度上設けられている下校後の時間に対する業務量が適切でないという制度的な課題もある。また、児童には個人差があり、1人1人の特性や児童を取り巻く環境も考慮しながら柔軟に対応しなければならないという点や個別対応はイレギュラーとして発生するため予測が難しい点、イレギュラーで発生した業務を抱えている教員は残業時間が長くなりやすく、精神的疲労を感じやすいという点など、仕事内容に特有の課題が存在することが明らかになった。 |
講評 | 教員の働き方改革という古くて新しいテーマに、現場でのフィールドワークおよびアンケート調査を組み合わせることで挑戦した。会議や部活動などの業務を減らし、子どもたちと関わる時間を長く取ることをよしとしてきた研究の中、あえて着眼点を変え、「子どもたちとの個別的な関わり」こそ教員の労働を困難にする点を明らかにした。突きつけられた課題は大きいが、それを鮮やかに明示しえたのは著者の優れて冷静で正確な観察眼と筆力による。 |
キーワード1 | 学校における働き方改革 |
キーワード2 | 個別対応 |
キーワード3 | 教員 |
キーワード4 | 初等教育 |
キーワード5 | |
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