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学科 教育文化学科
年度 2020
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 大学での障がい学生支援における関係者同士の関わりについて ―サポートスタッフとしての経験とインタビューからみる〈関係の多層性〉―
内容 本稿は、大学での障がい学生支援における支援学生・障がい学生・支援コーディネーターの関係に注目し、三者の間にどのような関係が形成されているのかを明らかにすることを目的としている。そのために、筆者が障がい学生支援室のサポートスタッフ(支援学生)として聴覚障がい学生を支援してきた中での経験と、聴覚障がい学生および支援コーディネーターへのインタビューを事例として検討した。その結果、一般に「支援学生が支援し/障がい学生が支援される」というものとして想定される「支援する/される」関係は反転しうること、支援学生・障がい学生・支援コーディネーターの間には「支援する/される」関係以外にも複数の関係が存在しており、同時に現れたり、互いに影響し合ったりしていることがわかった。これらを踏まえて、本稿では、支援現場で形成されている関係に対して〈関係の多層性〉という見方を提唱した。
講評 障がい学習支援スタッフとしての4年近くにおよぶ経験をベースとして、参与観察およびインタビューによって、障がい学習支援の現場の構造を明らかにした労作である。とかく理想論や制度論が語られがちな本テーマにおいて、本稿は、あくまでいちスタッフとしての現場感覚を離れずに記述した点が評価できる。スタッフ―利用者間をめぐる〈関係の多層性〉という観点は、ケアの現場における人間関係をめぐる議論にとっても独創的かつ示唆的である。
キーワード1 障がい学生
キーワード2 支援
キーワード3 関係
キーワード4 多層性
キーワード5  
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