詳細
学科 教育文化学科
年度 2020
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 共生社会における子どもの教育 ―橿原市における外国にルーツを持つ子どもたちの学習支援―
内容 本論文では、日本で暮らす在留外国人の増加に着目し、外国にルーツを持つ子どもたちの教育に関する苦悩を明らかにする。先行研究において、文部科学省を中心とした国の取り組みやNPO法人による活動の記録、教育委員会による支援などのそれぞれの視点に限られた報告があった。それらの報告を受けて本論文は、現場での声を明らかにして、総合的な視点における子どもたちに立ちはだかる壁の全体像を浮き彫りにする。これからの共生社会を生きる、可能性溢れる子どもたちの能力を引き出すために、必要不可欠な教育支援に注目した。異なる環境で育った子どもたち同士が共に学校生活を送る中で、彼らを取り巻く困難を総合的な行政の報告や市の勉強会、公立学校の日本語担当者などの多岐にわたる視点から考察した結果、外国にルーツを持つ子どもたちへのこれからのサポートの在り方について、改めて再考を促す。
講評 外国にルーツを持つ子どもの教育は近年ますますその重要性を帯びているが、必ずしも公教育のセーフティネットは十分行き渡っているとは言いがたい。本論文は、奈良県橿原市で学習支援を行う人たち(公立学校のスタッフも含め)とともに活動を行い、またインタビューを経ることで、日本語をはじめとする学習支援が抱える問題を、現場の視点から明らかにするものである。長期的なフィールドワークは実現されなかったものの、個別の事例を記述する中で、生き生きと学ぶ子どもや大人の様子を鮮やかに描き出すことに成功しており、著者の細やかな眼差しが見てとれる。
キーワード1 共生社会
キーワード2 外国にルーツを持つ子ども
キーワード3 異文化理解
キーワード4 学習支援
キーワード5 日本社会の壁
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