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学科 教育文化学科
年度 2020
ゼミ名 奥井 遼
タイトル ドイツにみる平和の精神 ー第2次世界大戦後の記憶の継承を中心にー
内容 本研究は第2次世界大戦以後、ドイツがユダヤ人大虐殺などの過去にどのように向き合い、乗り越えていったのか、その平和に向かう精神を明らかにすることを目的とした。はじめに、戦後直後から現代に至るまで、ドイツ国内での過去に対する認識の変化をみた。その結果、戦後当初は「自分たちのせいではない」、「そのようなことがあったとは知らなかった」と過去に目を背ける態度をとっていたことがわかった。しかし、そのような認識も時を経て変化していった。その中でも、認識に大きな影響を与えたものとして、歴史教科書とモニュメントがあげられた。長年の歴史的対立があるポーランドとの間で、共同教科書を出版しようと取り組む際に見えた、ドイツの相手を理解し受け入れようとする精神、そして歴史を継承していく目的で数多くのモニュメントを建設していったことから分かる、市民から出てくる過去を克服しようとする精神がドイツを平和に導いたという結論に至った。
講評 ドイツの歴史教育については世界的にも評価されているが、その活動や運動は必ずしも一枚岩的ではなかった。時代ごとの歴史観・教育観を外観した上で、著者は、ドイツが戦争の記憶(負の遺産も含め)を継承することに貢献してきた運動(歴史教科書の作成とモニュメントの設置)を取り上げる。国家という枠組みではなく、いち市民の運動として盛り上がりを見せてきたと見なす著者の指摘は、現代の日本社会が抱える問題に対する示唆も与えてくれる。
キーワード1 ドイツ
キーワード2 第2次世界大戦
キーワード3 平和
キーワード4 歴史教育
キーワード5 モニュメント
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