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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 社会のテンポが生み出す遅刻 ―「遅刻常習犯」による時間感覚の分析― |
内容 | 本研究の目的は、社会それぞれにテンポがあることを明らかにすることである。地元沖縄県には時間がゆったり流れるイメージが形成されているが、こうした現象を実証によって裏付けることを試みる。そのために、まずは時間をモチーフとした文学作品や、時計技術の発展による時間概念の変遷を踏まえることで、社会における時間の位置づけを確認する。その上で、沖縄県と京都府を比較対象に据え、2つの観点から観察を行うことで社会のテンポが実際に異なっていることを示す。1つ目は、両府県において交差点の車両の動向を観察し、信号の表示に対する自動車の停止・進行のタイミングの傾向を測定した。2つ目に、両府県において電車の乗客の降車時の動向について観察し、扉の開閉に対する乗客たちの動きを測定した。以上2つの観察から、沖縄県の方が京都府よりも社会のテンポが遅いという結果を得ることができた。 |
講評 | 遅刻といえば社会の常識に反する行為であるが、直線的に流れる時間(クロノス)に縛られて生きる我々現代人に対する警鐘は古典的な課題である。著者は、実際にストップウォッチを片手に街に繰り出し、時間がものをいう現場で人々の動作をつぶさに眺めるという、いささか突拍子もない、しかし説得力のある行動観察を行なった。沖縄県でのゆったりとした行動、京都府のせっかちな行動が実証されるさまは見事である。何かと遅刻しがちな著者ではあるが、今後の社会生活において、時間に不当に追われることなく活躍されることを願う。 |
キーワード1 | 遅刻 |
キーワード2 | 社会のテンポ |
キーワード3 | 共時性 |
キーワード4 | 時間 |
キーワード5 | |
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