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学科 教育文化学科
年度 2020
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 地域に伝わる民話と人々 -丹波篠山市のフィールドワークを通して-
内容 本稿では地域に伝わる民話に着目し、兵庫県丹波篠山市でのフィールドワークを通して、その民話の活用方法を検討していく。第1章ではこれまでの民話研究を整理し、第2章で方言保存や郷土教育などの地域の民話活用について調査した。最後に第3章では黒大豆栽培の民話の舞台となっている川北での農家の方々へのインタビューを通し、民話に対する人々の思いと地域産業の関係性を調査した。調査の結果、民話が地域産業活性化の要因である人々のローカルアイデンティティの再構築に関わっていることが明らかになった。この民話は黒大豆の来歴や性格を形作る現場での「語り」とセットになって川北の中で語り継がれている。民話を通し、その地域の人々が自己認知を深め、他との差別化を図ることによって「誇り」を持って産業に携わることができるのだ。地域産業の活性化は現代でも大きな課題である。その活性化の一つの要因に民話がなりうることが示された。
講評 地域の特産品にはそれぞれの地域ならではのエピソードがあるが、民話が結びつく特異的な事例がある。著者が調査した丹波篠山市では、江戸時代に大豆の種をもたらした旅の僧の伝説が今なお伝わる。本論文は、大豆農家の方へのインタビューを中心に、黒大豆農家における民話の継承について考察するものである。産業構造や生産高といった客観的データはやや手薄であるが、民話が、今なお川北地域における産業を支えていることを明らかにした点は評価できる。
キーワード1 民話
キーワード2 地域産業
キーワード3 ローカルアイデンティティ
キーワード4 方言
キーワード5 郷土教育
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