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学科 教育文化学科
年度 2020
ゼミ名 越水 雄二
タイトル 歌劇『魔弾の射手』にみる森の表象
内容 現在のドイツにおいて森の存在は伝統的に精神が宿る場所として重要視されており、文化として非常に深く根付いている。『ヘンゼルとグレーテル』や『赤ずきん』など、森はグリム童話をはじめとした文学作品の舞台としても登場することで知られている。クラシック音楽でも同様で、森を舞台にした作品は多数存在する。その中でも特にウェーバー(独:1786~1826)が作曲した『魔弾の射手』は今日の音楽史においてはドイツ・ロマン派のオペラを代表する作品として知られている。本作品は中世ドイツの魔弾伝説が基になっており、全幕通して森の中で物語が展開する。そこで今回は文化として根付いている「ドイツの森」の存在が芸術面でどのような影響をもたらしているかを示す例の1つとして、今日の音楽史においてドイツ・ロマン派オペラの金字塔として評価される『魔弾の射手』の作品内で森はどのように描かれているか総譜を用いて考察する。
講評 「教育文化学演習Ⅲ・Ⅳ-4」すなわち〈西洋教育文化ゼミ〉では2020年度に12名が卒業論文に取り組み、全員が提出できたことを私は幸いに思います。例年、テーマの設定は各人が全く自由に行いますから、今年も12論文のテーマは多様でした。それらの中に共通する今年度の傾向を敢えて挙げるならば、一つはスポーツ、もう一つは音楽が、文化と人間形成に及ぼす影響に関するテーマを考察する論文が合計5編を数えたことでしょう。
自分の興味関心や経験から選んで決めたテーマで、まず文献や史資料を探し、次にそれらの内容を理解し、分析することに努め、さらに自分の視点で検討して、調査と考察を進めていく。そして、調査と考察の内容を、論文の構成を工夫しながら分かりやすい文章に述べて、まとめていく。これらの過程で、研究内容をゼミで報告し、仲間からの感想や質問や意見を通じて、自分が理解し考察している内容を確認していく。
このようにして卒業論文を書き上げた経験は、大学卒業後に論文を書く機会ではなくても、仕事や生活の中での様々な課題に取り組む際に応用して活かされていくはずです。また、自分の研究テーマに関する知識はもちろんですが、ゼミの他のメンバーの卒論報告から知った多くの事柄やそれらから自分も考えさせられた内容も、皆さんの知的な財産として生涯学習に役立っていくことを期待しています。卒業論文への各自の努力とゼミでの取り組み、大変お疲れ様でした。
キーワード1 音楽
キーワード2 ドイツ
キーワード3
キーワード4 オペラ
キーワード5 オーケストラ
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