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学科 | メディア学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 看板はどんなメディアとして生き残るか |
内容 | 街の風景が変わるのと同様に、看板も社会に合わせて変化している。街ゆく人に様々な形状でアピールし、案内し、情報提供する役割を果たしてきた「屋外広告」としての看板。日本の看板の歴史は商店の始まりと共にあり、鎌倉・江戸・明治・昭和と、看板のあり方は時代を象徴することもある。平成になり看板のあり方を変化させたもの、それは都市計画による屋外広告への規制、そしてスマートフォンの拡大である。かつては京都の大通りにも巨大看板があふれていた、そして大阪で看板が作る景色は長い間守られている。屋外広告条例によって都市はその姿を作ってきたと言っても過言では無い。人が〈店を探す〉ことに大きく貢献してきた看板だが、マップアプリやSNSが発展し生活スタイルが変化する中で人々にとって看板はどんな役割を果たすのか。読者の看板に対する視点を刺激し、風景の解像度を高めるきっかけになることを目指してまとめた論文である。 |
講評 | 看板を都市の中のメディアとしてとらえ、看板の歴史と広告の定義をふまえて、「屋外広告」を「戸外に露出している店名、商品、サービスのいずれかが記載されている看板」と定義し、看板専門店のHPによる看板の分類を参照しつつ、景観法等法律の観点も含めて、都市と看板の関係性を多面的に論じた。ケーススタディとしては、景観条例で著名な京都市と大阪市の例を比較し、看板を景観のマイナスとみなす古都・京都と、看板自体が商都の景観構築に寄与している大阪の対照性を指摘した。さらに、スマートホン所持率、SNS利用率の上昇に伴い、屋外看板の広告効果が相対的に低下し、インターネット上の情報が商業戦略に寄与しており、看板は日本の都市において減少し、店舗情報を入手する際の直接的手段ではなく補足手段と化す将来的可能性が高いと結論づけた。コロナ禍で当初予定していた看板調査のフィールドワークが困難になったにもかかわらず、独自のアンケート調査や先行研究の議論の的確な引用を含んで、最新のメディア状況における看板の社会的役割を明らかにした独創的研究となった。 |
キーワード1 | 看板 |
キーワード2 | 屋外広告 |
キーワード3 | 景観 |
キーワード4 | 都市計画 |
キーワード5 | 店探し |
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