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学科 | メディア学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 五社英雄監督作品における日本女性の表象?芸妓・遊女の生き様? |
内容 | ずっと関心のあった日本特有の女性の職業である「芸妓」「遊女」をはじめ、花街で生きる女性についての表象を、女性の情念を描かせると右に出るものはいないと言われていた、巨匠・五社英雄監督の3作品(『櫂』『吉原炎上』『陽暉楼』)から読み取り、表象分析を行った。作品の登場人物とあらすじをまとめ、映画・ドラマ感想サイト「Filmarks」からオーディエンスの感想を抜粋し、作品の分析と照らし合わせ、オーディエンスがどの場面にどのような感想を抱いているのかを研究した。一見華やかに見える花街だが、裏で女性たちは様々な苦悩を抱えて泥臭くも強く生きていた。意地とプライドを持ち続け、何を信じ何のために生きていたのか。また、なぜ現代を生きる私たちは、経験したこともない花街での職業に興味を示し、共感してしまうのか。五社作品の中で生きる女性たちに焦点を当て、彼女たちの生き様が現代を生きるオーディエンスにどう映るのかについて研究した。 |
講評 | 五社英雄監督映画が描く女性像を、花柳界に生きるヒロイン像に注目して研究した本論文は、特攻隊の生き残りである五社の波乱万丈な人生も背景として生まれた五社作品全体の特徴をふまえつつ、『櫂』『吉原炎上』『陽暉楼』に焦点をしぼって分析を行うことで、多くの女性が従事する職業とはいえない遊女や芸者の人生を描く映画がなぜオーディエンスの関心を得るのかを明らかにした。それぞれの映画の色彩、プロット、登場人物分析、台詞の質的分析、オーディエンスの反応を通じて、一見華やかな花街に関わる女性たちの、抑圧されながらも信念やプライドを失わず困難にたちむかう生き様から、オーディエンスが学ぶものがあると結論づけた。映画についてのネット上のオーディエンスの感想を丁寧に資料としてまとめ、そこから、送り手、受け手双方の視点から、映画のメッセージ分析を行った力作である。 |
キーワード1 | 意地 |
キーワード2 | プライド |
キーワード3 | 色 |
キーワード4 | 夢 |
キーワード5 | 嘘 |
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