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学科 | メディア学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | J-POPはなぜ東京を歌うのか |
内容 | 「J-POP」はなぜ東京を歌うのか。「J-POP」は文化より産業という意味合いがより濃いジャンルであり、「テレビ」というメディアと強い関りをもって発展してきたジャンルでもあった。その「テレビ」は「テレビ局」から日本全国に発信され、その「テレビ局」の多くが「港区」に位置している。そんなテレビ局は様々なコンテンツを通して、発信元である「東京」に「日本人共通の街」と「憧れの地」としてのイメージを定着させていった。歌謡曲の時代から、楽曲はそのイメージの構築材料になっていったのだ。J-POPもそのような東京観をアーティストというメディアを通して、ストーリーを添えることでより多くの人に発信することとなった。こういった要因から、J-POPアーティストは「東京」を歌ってきたと考える。 今後、情報技術の発展により人々の生活は細分化され、「東京」は「日本人共通の街」でも「憧れの地」でもない、別のイメージを日本人は持っていくのだろう。 |
講評 | 日本の歌謡史をふりかえりながら、J-POPの歌詞の主題に「東京」が多く登場するのはなぜかを、東京という都市の首都としての社会的実態と、それに伴う憧憬の対象としての表象機能の関係に着目して論じた。文学、ラジオ、テレビと、言語情報、映像情報を横断し、総合的、歴史的にメディアが描く東京像についての調査分析を行ったうえで、具体的にJ-POPのなかで「東京」を歌う事例を収集し、詳細な歌詞分析とともに、音楽番組でメッセージを発信するメディア産業の中心が東京都内、特に港区に位置しているために、港区に位置するテレビ局が「日本人共通の街」「憧れの地」としての「東京」のメディア・イメージを構築していったことを明らかにした。明治期の漱石文学が描く東京の肯定的イメージにまで遡り、昭和、平成、令和へつながる東京イメージの歴史的変遷を俯瞰しつつ、コロナウィルスの影響で将来的に「東京」イメージがいかに変化するかという問題意識にまで及んだ本論文は、日本の都市論、メディア論、音楽論を横断する学際的成果として高く評価できる。 |
キーワード1 | J-POP |
キーワード2 | 東京 |
キーワード3 | メディア |
キーワード4 | テレビ |
キーワード5 | ドラマ |
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