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学科 メディア学科
年度 2020
ゼミ名 池田 謙一
タイトル 「寄生獣」からみる人間観 ー広川の演説の正当性ー
内容 本稿では「寄生獣」で登場する広川というキャラクターが作中で死に際に行った演説の内容が正当性のあるものなのかを分析していく。演説の簡単な内容としては「人間は地球にとって毒を垂れ流す害虫であり、寄生生物はその人間を捕食する地球にとっての薬である」というものである。方法としては物語の中で特に取り上げるべき場面である「田村玲子の最期」と「後藤との対決」を分析し、その結果から広川の主張の正当性を判断していく。結論としては人間が他の生物の立場から人間自身を蔑んでみても意味がなく、他の生物にはない特別な力を与えられた人間は地球に暮らす他の生物への尊敬の念を忘れず、その力を行使する責任があるというものである。
講評 「寄生獣」の研究として意表を突く出だしであったが、全体の論理展開は明瞭で、広川の主張を解き明かしながら、「寄生獣」の人間観の持つ意義を検討している。物語の展開の解釈が詳細であり、全体として「人間の都合」の持つ意味を明らかにし、最後に広川の主張の含意が明らかになる。
欲を言えば、冒頭の出だしの意表性は、片方で論文の結論が予期しにくくなったという点で、執筆に少し工夫の余地があったかもしれない。
キーワード1 人間観
キーワード2 共生観
キーワード3 情動的な涙
キーワード4 利己と利他
キーワード5  
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