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学科 | 社会学科 |
年度 | 2009 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | ファン・コミュニティと社会関係資本 |
内容 | 人の行為を促進する社会関係資本には結束型・橋渡し型があり、オンライン上では集合的なインターネット利用によって形成され、オンラインコミュニティの目的によって異なることなどが先行研究の知見である。本稿では、<異質な他者からなる開放的なネットワーク>、<同質的な他者からなる閉鎖的なネットワーク>の二重性をもつ対象として、mixiのファン・コミュニティにおけるファンの相互作用と2つの社会関係資本の実態を探る。2つのトピックを分析によると、同一の話題(直接結合)のクラスターは特定的互酬性をもち、役割同値から互酬性が一般化しているかを検証すると、一部で一般化が観察された。2つのトピックの比較で、トピックによりその機能(相互作用・情報源)が異なり、互酬性の規範がトピックをこえて一般化している可能性もうかがわれた。オフ会のトピックでは内容分析により、参加者が親密さを求めて自己開示し、実際に会って語り合うことで情緒的に結束することがわかった。橋渡し型・結束型の社会関係資本は、道具的・表出的といった行為の質と関係している。ファン文化とは、ファンが自らの目的に応じて集い、相互作用し、互酬性の規範や信頼という社会関係資本を形成する動的な過程である。 |
講評 | 今年度の卒業論文は、インタビュー調査、量的データの二次分析、資料分析、参与観察によって書かれました。就職活動に苦労した年でもあり、着手が遅れた学生も多かったため、仕上げまでかなり苦労していましたが、全体的には例年通りのレベルまで到達しました。個々に関しては、インタビュー調査を行った学生は被調査者確保に非常に苦労した様子で、慣れないインタビューに大変緊張し、またインタビュー結果をまとめることが難しかったようです。二次分析を行った学生は自分で作成した調査票ではないため、使いたい指標になる質問項目がないことも多く、代替変数の作成に苦労していたようです。資料分析を行った学生は膨大な量のテキスト分析で大変疲れたようです。また昔の資料を集めた学生は、自分のストーリーに展開することに苦労したようです。参与観察を行った学生は大量の情報を知ることができるだけに、整理して書くことが大変難しいようでした。最終的にはどの論文も力作で興味深いテーマでした。 |
キーワード1 | コミュニティ |
キーワード2 | 社会関係資本 |
キーワード3 | 互酬性 |
キーワード4 | ファン |
キーワード5 | mixi |
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