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学科 メディア学科
年度 2020
ゼミ名 勝野 宏史
タイトル 女性の労働は恋愛観にどのような影響を与えているのか一1970年代から現在までの少女マンガを分析して一
内容 本論文では、時代変化に伴う女性の社会進出による恋愛観の変化を、少女マンガを通して分析した。少女マンガを研究の対象とした理由は、その時代の女性の働き方や恋愛・結婚観などを大きく反映しているメディアであると考えたからである。本論文では1970年代から現在までの約50年間を、2000年以前と以降に分割し、主に4作品の少女マンガを題材として分析を行った。本論は序章と第5章のまとめを除き、3章で構成される。第2章では少女マンガの歴史を振り返り、複雑化する少女マンガの定義を明らかにする。第3章では、2000年以前の少女マンガ作品を取り上げた。主な研究対象は、大和和樹『はいからさんが通る』、柴門ふみ『東京ラブストーリー』、の2作品である。第4章では、2000年代以降の作品を取り上げる。分析対象は、ひうらさとる『ホタルノヒカリ』、海野つなみ『逃げるは恥だが役に立つ』の2作品。これらを分析した結果、恋愛観や男女の関係性のあり方は多様化しているという結論に至った。
講評 コロナ禍においての卒業論文執筆は、個々の調査への取り組み方やゼミでのフィードバックのあり方において通常とは異なるかなりイレギュラーなプロセスとなった。特に、フィールドワークやインタビュー調査を念頭に準備を進めていた学生の多くは調査方法のみならずテーマそのものの変更を余儀なくされ、春学期のほとんどの時間をそのような軌道修正に費やすこととなった。そのような状況の中で、今年度は19名の卒業論文が提出された。テーマは多岐に渡ったが、大きくは以下のカテゴリーに分けることが出来る。1.バーチャルリアリティ・ロボット・AI 2.アイドル・身体・ジェンダー 3.消費文化・ポピュラーカルチャー・社会的想像力 4.メディア・SNS・陰謀論。本ゼミにおいて卒業論文執筆の際の目標として繰り返し強調してきたのは、トピック重視の狭い範囲で答えありきの明快な議論を展開することではなく、具体的な現象とその分析の往還の中で自分なりの問いを見出し、その問いを追求する中でさらなる大きな問いにたどり着くということであった。新しいメディアコミュニケーションの普及とそれに伴う身体感覚やアイデンティティの変容、そして新たな想像力の形成、さらには陰謀論といったコロナ禍と結びついたテーマが数多く出てきたのは、それぞれが社会への関心を高めていった成果であると共に、これからも考え続けながら生きていくうえでの出発点にもなったことだろう。
キーワード1 少女マンガ
キーワード2 働く女性
キーワード3 恋愛観
キーワード4 男女共同参画
キーワード5  
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