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学科 産業関係学科
年度 2020
ゼミ名 阿形 健司
タイトル 企業横断的な能力開発の可能性  日本企業での能力開発は企業特殊性を帯びた能力のみなのか
内容 これまでの、終身雇用、年功序列型賃金、企業別労働組合といった日本的雇用慣行は崩れつつあり、現代では雇用の流動化が活発になってきている。筆者はこのような現状を、就職活動を通して知り、産業関係学科で学んだ日本的雇用の特徴と現代社会の状態にズレが生じているのではないかと考えた。小池と石田・樋口の文献を先行研究として用いたところ、両者は新卒から定年まで1つの企業で働き続けることを前提にして日本企業の人事制度の特徴について述べている。筆者は近年の労働市場について記述されている文献の研究、社会人2名へのヒアリング調査から、日本企業で行われる能力開発によって、企業横断的に活用が可能な能力が身につけられるということを主張する。これは現代社会が製造業中心の社会からサービス業が中心の社会に変化していること、日本企業の個別化が進んだ制度や労働環境が大きく寄与していると筆者は考える。サービス業が中心になることでマニュアル化することが不可能な個別性の高い仕事が求められる。また、他国に比べて個別化が進んだ日本企業の制度や労働環境によって、個別性の高い仕事に対応することが可能になり、高い個別性が求められるサービス業の仕事が大部分を占める現代社会においては、日本企業特有の能力開発は企業を渡り歩いても通用する能力を身につけられると考察する。
講評 今年度は19名の「卒業論文」登録者がありました。全員が曲がりなりにも卒論を提出できたことを嬉しく思います。よそから調達したのではなく、各自の経験や思考から導き出した問題関心に基づいて情報を集め、整理し、それらに基づいて論理的に自らの主張を展開できたとすれば喜ばしいことです。
とはいえ、個別の卒論を精査すると、卒業研究に費やした時間と労力に応じた出来映えであったことは否めません。誇るべきところは誇り、反省すべきところは反省していただくとよいでしょう。卒論の提出をもって十数年にわたる学校教育を修了することになりますが、社会に出てからも学び続けることが重要です。皆さんにとって、このたびの卒論がその出発点となることを期待して講評の言葉といたします。
キーワード1 能力開発
キーワード2 インフォーマルなOJT
キーワード3 企業横断的な能力
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