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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2020 |
ゼミ名 | 寺井 基博 |
タイトル | 地方での雇用機会を増やすために |
内容 | 本論文の調査で、地方における雇用機会の質の低さが都市部への人口流出を招き、その結果としてその地域の人口が減少し、結果として空き家が増加してしまい社会問題へと発展していることが分かった。さらに、人口が流出することにより、地方における主要産業である、サービス業は人口が減少するにつれて需要が少なくなることによって、労働としての需要も少なくなり、さらなる人口流出を招いていることも判明した。 この現状を変え、地方に雇用機会をもたらすにはサービス業に頼らない、地方ならではの雇用機会が必要である。そのためには自治体の地方創生、ないしは雇用創出に向けた政策が必要不可欠であると考えた。 そこで、地方で魅力のある雇用機会を得て、さらには空き家問題を解決するために地方における自治体の空き家・土地を利用した雇用創出に向けた取り組みについて調査したところ、農業や観光について雇用機会が期待できることが分かり、さらには空き家バンクという空き家を利用した物件紹介を利用し実際に成果を上げた事例もあることから今後も期待できることが分かった。 |
講評 | 卒業論文の作成は、先行文献を集めて読み込み、時にはインタビュー等の調査を行い、それらの知見をもとに自らの考えを文章にまとめるという地味で忍耐を要する作業なので、 各人が関心をもって取り組むことができるようにテーマは自由とした。ただし、各自が選んだテーマと産業関係学との関係を論文の中で明らかにすることを条件としている。 今回提出された卒業論文のテーマは、組織や日本的雇用慣行など「労使関係」に関するもの、長時間労働、テレワーク、女性活躍など「働き方改革」に関するもの、プロスポーツ選手や各種講師などの「労働者性」に関するもの、貧困や雇用機会創出など「社会問題」に関するものに分かれている。文献研究が主であるが、聞き取り調査に基づいて考察を行ったものも複数みられた。 いずれの論文も先行文献を丹念に読み込んで、主要な議論を整理したうえで各自の見解が述べられていた。文章表現も的確であり、全般的に論文としての完成度は高い。提出者全員が卒業論文作成に懸命に取り組んだ努力は大いに賞賛に値する。この卒業論文は紛れもなく各人の「大学生活の到達点」であり、これを起点として社会人としての一歩を踏み出し、 さらなる研鑽を積んでもらいたい。 総合評価についてはいずれも甲乙つけ難いものであったが、最優秀論文は、「子どもの貧困における発生と連鎖のメカニズム-就労と教育による分析」とした。 評価を分けたポイントは分析力と構成力であった。一般に、論文作成に費やした時間に比例して論点把握や考察が深まる傾向がみられるが、本論文では、それに加えて、これまでに培われた分析力と構成力、文章表現力が多いに発揮されている。ことばの定義、文献考察の深さ、統計データによる論証、論理の展開、そして明快な文章表現は秀逸で、総合力として他を抜きん出ていた。 |
キーワード1 | 空き家 |
キーワード2 | 雇用格差 |
キーワード3 | 雇用創出 |
キーワード4 | 土地活用 |
キーワード5 | |
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