詳細
学科 産業関係学科
年度 2020
ゼミ名 樋口 純平
タイトル 「withコロナ時代」における働き方の変革と人事制度
内容  この論文においては「withコロナ時代」における働き方の変革と人事制度について、今までの流れと現状、今後想定される展望をまとめる。まずテレワークの歴史や比較をした上でテレワークのメリットを再度認識し直し、次に総務省(2018)によるテレワークの導入モデルを参照した上で企業を類型化、導入の各フェーズにおける課題を分類する。そこで事例と解決法をもとに、今後テレワーク導入企業においてどのような対策を取っていくべきなのかを考察する。さらに実際に企業数社に対して実施したインタビューを元にした調査結果から、日本における理想のテレワーク体制について考察する。
最終的に社会的な視点の「安全性の確保」、経営側の視点の「生産性の最大化」、従業員側の視点の「負担の最大限の軽減」という3つの観点から、テレワークが有効的であると結論づける。また今後企業においてテレワーク制度を導入する際はその導入時期を3種類に分けて考え、それぞれの時期において異なる課題に合わせた対策を講じることが必要である。
講評  卒業論文の作成にあたっては,自分が関心を持ったテーマについて,自分なりに研究してよかった,多少は苦しいながらも書き進める中に楽しさや充実感があった,と感じてほしいと思う。自分自身に向けて書く,という気持ちが大切と思う。
とはいえ,単なる自己満足に終わってもよくない。設定したテーマについて,先行研究は何を語っているか,現状はどうなっているのか,を知る必要がある。すると通常は,よく調べるほど自分に語るべきことがあまり残されていないことに気づく。そもそも,卒業論文でオリジナリティのある事実発見や考察を行うことは,たいへんむずかしい。それでも,よく選んだ文献と格闘することで自分なりの解釈を展開することはできるし,先行研究の隙間を見つけて自ら実態調査に取り組むことも可能である。
 本年度の樋口ゼミ生の卒業論文は,どうであったか。多様なテーマの中にも,いくつかのパターンが見受けられたように思う。1つは女性活躍や長時間労働の問題等,例年見られる比較的オーソドックスなテーマを対象としたものである。選択されることの多いテーマとは言え,研究のプロセスで議論を重ねながら各自の問題意識と分析視角に応じた学びと納得の様子を確認することができた。また,別のパターンとして,3回生の学生研究報告会で取り組んだグループ研究のテーマ(「南アフリカの人事・労使関係」)を卒業論文として発展させたものもある。ダイバーシティの問題を軸として,日本企業への示唆を含めた分析と考察を展開している。海外の文献資料も含め,既に先行研究の検討と議論を重ねたテーマを各自でさらに深めたことによる苦労と達成感があったのではないか。さらに,医療従事者の労働問題や料理人の人材育成など,独自性の高いテーマに挑戦した者もいる。これらのテーマは指導教員の見識が限られている分,他のテーマ以上に自らの文献研究やインタビュー調査の努力が要求されることとなった。そこに各自の持ち味がよく表れたように思う。
以上のような本年度の卒業論文は,構想から準備,執筆に至るプロセスに例年よりも総じて遅れが生じた印象がある。今年は1学年あたりの人数が多かったことに加えて新型コロナウィルスの発生もあり,スケジュール管理や進捗管理が少なからず影響を受けた。こうした状況についての対応力向上は,来年度以降に向けた教員自身の課題としたい。
キーワード1 テレワーク
キーワード2 在宅勤務
キーワード3 働き方か改革
キーワード4 新型コロナウイルス
キーワード5  
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