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学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 藤本 昌代 |
タイトル | 現代若者の古い恋愛観ー恋愛リアリティ番組のコメント分析からー |
内容 | 本稿では、匿名の人々が誹謗中傷に至る過程と現代若者の理想の恋愛観を明らかにするために、恋愛リアリティ番組のコメント欄を対象に、どのような人や場面においてポジティブな反応、ネガティブな反応が起こっているかを調査した。その結果、男らしさや女らしさが重視され、10代の恋愛において伝統的な性別役割意識が見られるという意外なことが明らかとなった。この結果は、仮説とは真逆の結果であった。また、視聴者のポジティブな反応やネガティブな反応が起こる過程において、視聴者に共通した規範があることが判明した。そこで、規範から外れた人に対して過剰な批判が見られることが明らかとなった。この傾向は恋愛リアリティ番組以外で起こる誹謗中傷においても見られると考えられる。リアリティ番組特有の誹謗中傷の特徴としては、人気者のライバルとなると悪く見られやすくなるといったように、出演者の演じる役割によって人気や炎上が決まりやすいことが判明した。 |
講評 | 本稿は2020年にTVの恋愛リアリティショーの出演者が、SNSの過剰な書き込みによって自殺に追いやられた事件を踏まえて、この事件と同時期に始まったAMEBAの10代向けの恋愛リアリティショーでの書き込みを分析している。本稿では事件直後でもAMEBAで過剰な書き込みが減っていないことに注目し、何が視聴者をエスカレートさせるのかということについて、大量の書き込みから恋愛における「視聴者の性別役割規範からの逸脱」パターンを分析している。その結果、10代の若者が「気に入る」出演者は伝統的な「控えめな女性」であり、また、男性の出演者は「他者への気遣い」ができる人が好評価を受けており、強引な、かつての「男らしさ」は好まれないことが示された。本研究によって若者のオンライン上での女性に対する古典的な規範の根強さ、反対に男性には現代的な優しさを求める傾向が発見された。本研究は人々が気になる、日常で起こっていることを丹念に分析したものである。 |
キーワード1 | 伝統的なジェンダー観 |
キーワード2 | 若者 |
キーワード3 | 誹謗中傷 |
キーワード4 | 規範 |
キーワード5 | |
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