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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル 持続可能な社会から見えるジェンダー格差問題~「教育」からジェンダーを紐解く~
内容  本論文では数値やデータからは捉えにくい日本のジェンダー格差問題を「教育」という視点から仮説検証を行い本質に迫ることで新たなジェンダーの捉え方、今後の社会におけるジェンダーのあり方を提唱する。教育を細分化し対立軸を設け比較しながら検証を進めることで教育の中でもどのような教育とジェンダーに強い結びつきがあるのかを過去の文献、質的調査を踏まえて議論を展開している。そのなかで日本の家庭教育を詳しく見ていくと「イエ」制度という日本の伝統的な家族制度が家族という枠組みを超えて社会全体として体系的に組み込まれていることが日本のジェンダー格差に大きく関連していることが考察できた。「イエ」制度が社会全体を通じて機能している日本において今後ジェンダー格差を解消するためにどのように向き合っていったらいいのか、またこれからの社会においてジェンダーをどのように考えていくべきかを自分なりの見解を踏まえながら論述する。
講評  ジェンダー格差はしばしば指標化され国際比較されることが多いが、それを仔細に検討し、むしろ日本の制度に柔軟性がないことから実態以上に格差が大きく見えているとの指摘は興味深かった。また、日本国内についても異なる世代と学歴の男女にインタビューしているが、それを読むと、階層が高い人ほどジェンダー格差は小さいことがわかる。したがって、女性の高等教育への進学が比較的遅かった日本においては、今後、若い世代におけるジェンダー格差は縮小するだろうが、他方で貧困層でのジェンダー格差は拡大するという二極化が予想される。インタビューもしっかり実施されているのに感心した。
キーワード1 教育
キーワード2 ジェンダー
キーワード3 「イエ」制度
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