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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 鵜飼 孝造
タイトル “女系”天皇位継承の資格に関する論議 ~天皇の存在意義を歴史、伝統から女系天皇誕生の可否を問う~
内容  本稿は近年話題となっている「女系天皇の誕生」の問題についての論文である。日本国を建国した神武天皇から現在の令和天皇(徳仁さま)天皇まで126代、紀元前660年から引き継いできた神の血を現人神として男系で存在してきた天皇であるが、皇室解体、皇室典範の改定によって、その男系の継承に危機的状況に陥った皇室の状況に、女性天皇・女系天皇の誕生で策を講じるという案が有力になってきている。実際、女性天皇の誕生の可否を問うアンケート調査では「良いと思う」という意見がほとんどであるが、そのうち女性天皇と女系天皇の違いに対しての知識を持っている人はほとんどいない。「なぜ男系でないといけないのか」という視点に沿って解説を交えながら論を展開している。遺伝子の基礎規則から、歴史や伝統的な天皇の存在意義を明らかにしていくことで、男系であることの意味を改めて解釈する。そして本問題に対して、有識者たちの意見を参考にしながら自身なりの解決策を考え、結論としている。
講評  天皇制は、神話の世界と現実の政治が交わり合う制度であり、なかなか合理的な議論がむずかしいところである。ただし、国民感情の多数派は男系か女系かではなくて、女性が天皇になることがどうしていけないのかという率直なものであろう。天皇家と国民一般を同列に考えるべきではないとの意見もあろうが、やはり国民感情を軽視して天皇制は成り立たない。そもそも男系というのは複数のきょうだいがいることを前提とする制度である。しかし今は一人っ子が多数派の時代である。親の気持ちとして女の子だから家を継げないというのは認め難いのではないだろうか。もし保守派の人たちが男系に固執するのであれば、少子化を解決する説得的な提案をするべきだろう。
キーワード1 男系天皇
キーワード2 女系天皇
キーワード3 女性天皇
キーワード4 遺伝子
キーワード5 現人神
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