詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | YouTubeと生きる人々 |
内容 | 本研究では、YouTubeについて「視聴者」と「配信者」の二つの軸に焦点を当て、「本当に『暇だから』YouTubeを視聴しているのか」、「『稼げていない』YouTuberはどのような意識・将来観で活動しているのか」の2つをリサーチクエスチョンとして掲げ、YouTubeと生きる現代人の意識を研究した。 調査は、YouTubeを普段から視聴している7人と動画配信者3人にインタビュー調査を行った。その調査結果から、YouTube視聴については、「趣味発掘型」「スキルアップ・支援型」「時間消費型」「自己肯定型」の4つの視聴形態が浮かび上がり、視聴目的は様々あることが分かった。また、配信者については、配信者として生活することを目指す人にとって、YouTube活動は趣味の「仕事化の過程」にあり、まさに趣味とも仕事とも言えない「シリアスレジャー」の状態にあることが分かった。そして、YouTubeと生きる人々の意識の根底には、YouTubeへの「身近さ」があることも分かった。視聴者・配信者ともに、その「身近さ」故にYouTubeを余暇活動の場として選択するのだ。 |
講評 | 筆者は、現代人の生活は「YouTube化」していると捉え、単なる暇つぶしではなく、仕事と趣味の境界線を越え、その人の生き方の表現において重い意味を持った状況を、ロバート・スピデンスの「シリアス・レジャー」という概念にあてはめる。まず、YouTubeの積極的視聴者へのインタビュー分析からは、単なる時間消費型のパターンもあるが、配信者が「身近」に感じられるメディア特性を生かして、自己啓発のツールとして活用するパターンが目立つことに注目する。また、動画配信者へのインタビューからは、収益性よりも「好き」や「楽しい」を重視し、真剣にYouTubeに向き合う姿が描かれる。理論的観点にぶれがなく、個別インタビューのケース分析の読み物としての質も高い。メディア社会論の研究蓄積を踏まえ、YouTube界を俯瞰的に捉えることができれば、議論はさらに発展するだろう。 |
キーワード1 | YouTube |
キーワード2 | シリアスレジャー |
キーワード3 | 余暇生活 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |