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学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 商店街と居場所ー大阪市 加賀屋商店街の事例分析ー |
内容 | 本稿では、筆者の地元にある加賀屋商店街が、コロナ禍になっても賑わっていたことを論題として挙げ、なぜコロナ禍でも豊かに運営されたのかを明らかにするため研究を行った。同じようにコロナ禍でも衰退せず運営する、各地の様々な商店街の性質の整理と、加賀屋商店街でのインタビューの実施から見えてきたのは、商店街の居場所的な機能であった。それは、コロナ禍でも店の主人とお客さんが関係の距離を変化させないように、関係ではなく環境を変化させ、コミュニケーションを深めることで、お客さんが居心地の良い場所としてコロナ禍でも持続的に訪れていたことが挙げられる。そして、商店街の店舗は、誰もが生活に必要とする専門的な商品やサービスを取り扱い、多様な人が集まるため、このような居場所機能などの多様な機能が発生しやすく、それによって、居場所を必要であると感じていない人にとっても、結果的に居場所になる場が、コロナ禍で衰退しない商店街にあるということがわかった。 |
講評 | コロナ禍後、「15分コミュニティ論」に注目が集まるなど、住居に近接した地域のインフラの価値を見直す動きがある。本論文は、こうした時代背景を意識しつつ、筆者自身の地元である、大阪市の生活密着型商店街を事例に、地域に必要な居場所のあり方について検討したものである。筆者は、人が集まるハブとなっている地域の商店や施設について、「つくる居場所」と「できる居場所」の違い等、その居場所機能のあり方の違いによって5分類し、これを自身のフィールドにあてはめて検証している。多くのタイプの居場所と関わった筆者自身の経験が生き、地に足のついた、思考過程が見える論文となっている。そして、「できる居場所」とみなされる商店の客へのインタビュー分析についても説得力がある。商店街の未来の担い手として、実践的にこの研究成果が活用されることを期待したい。 |
キーワード1 | 商店街 |
キーワード2 | 居場所 |
キーワード3 | コロナ |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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