詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 地域コミュニティからみる京都市の廃校小学校跡地活用の在り方 |
内容 | 本研究では、京都市の学区コミュニティと小学校統廃合の歴史を踏まえ、今後の小学校跡地活用について検討してきた。 京都市では日本初の学区制小学校である番組小学校を地域が主体となって住民の手で運営してきた。そのため、創設期から統廃合は続いているものの、いずれも番組小学校に根ざした地域コミュニティは存続している。小学校跡地が文化施設や宿泊施設へと変容を遂げてもなお、グラウンドや消防分団詰所を残すことで、地域コミュニティ形成の場としての元校舎が日常的に学区組織や地域住民によって活用され、双方が連携していく事例が多く見られた。これは、地域コミュニティ形成の学区としての機能、そして京都市の文化や観光を守っていくためにも重要なことである。また、マンション建設による移住者の増加によって新住民と旧来の住民の「融和」を重視した学区の機能を創り上げるためにも、NPOやボランティア団体が介入しやすい活用がなされるべきだと考えた。 |
講評 | 京都の都心部の地域コミュニティの自治活動は、明治初期以来の「番組小学校」64校の元学区の単位を中心に行われてきた。ところが、それらの小学校の多くは1980年代以降に統廃合し、その跡地あるいは建物の利活用が焦点となった。本論文は、小学校跡地の利用パターンを整理するなかで、宿泊施設や観光文化施設、あるいは福祉施設に転用されたパターンだけでなく、「元学区」単位の自治活動の枠組みが残り、一角で地域活動が行われている場合が多い点に注目する。そのうえで、銅駝学区の跡地活用検討委員会に取材し、居住年数の浅い住民の参加を念頭に、新しい活用方法を提言している。その事例に関する考察は明快だが、もう少し踏み込めたはず。また、論文前半で整理された他の小学校跡地利用のあり方も含め、今後の京都の小学校跡地問題についての考え方を整理してほしいところ。 |
キーワード1 | 小学校跡地活用 |
キーワード2 | 地域コミュニティ |
キーワード3 | 学区制度 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |