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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 轡田 竜蔵
タイトル テーマパークにおける労働と消費の現在 -ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの事例-
内容  本稿では、日本におけるテーマパーク業界の動向を振り返り、現在、経済の動向に左右されながも成功を収め続けるテーマパークの労働状況や消費行動に着目し、人々はなぜテーマパークという空間を求めるのかをUSJの事例をもとに調査したものである。「感情労働」や「やりがい搾取」といった労働の問題を現在も抱えているテーマパークで働き続ける人へインタビューを行い、早朝・深夜の過酷な労働の中でも働きたいと思える評価制度や人間関係、労働者それぞれの意識の高さにより非正規雇用者が多くても運営ができるのだと分かった。また現在の消費の動向を調べるべくテーマパーク消費者が何を目的にテーマパークへ来ているのかを探った結果、「ひとりインパ」などの個人での楽しみ方やコロナ禍の影響、テーマパークが提供するテーマ性を重視しない消費の形など新しい形の消費が発見できた。
講評  筆者は、テーマパーク研究の文脈の「脱舞台化」概念に注目し、テーマの統一性を重視しない「テーマなきテーマパーク」の典型がUSJだと位置づける。そして、自らUSJで働き、かつテーマパーク消費の愛好者としての当事者性を生かして研究を進めている。消費者の実態調査からは、提供する側以上にテーマ性を追求する「オタク」層がいる一方、「映え」ねらいのテーマパークファンもいるという多様性を描く。そして、それらに柔軟に対応するために、労働者が感情労働をマニュアル通りに遂行する以上の負荷を感じている当事者ならではの視点が興味深い。ただ、このあたりは体験談にとどまらず、状況描写をきちんとやってエスノグラフィとしてまとめたい。「パークなきテーマパーク」ともいえるコンテンツツーリズム等、関連する消費のあり方との関連性も考察すれば、もっと深められそうである。
キーワード1 テーマパーク
キーワード2 感情労働
キーワード3 オタク消費
キーワード4 USJ
キーワード5  
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