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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 小林 久高
タイトル 同調圧力の意識の入れ子構造モデル
内容 同調圧力とは集団における自己の意識下での他者の意識規定条件の過度な想定であり、その結果自己の意識規定条件が肥大化する思考プロセスである。アッシュの実験を検討すると、同調圧力とは他者から干渉されることで形成されるものではなく、自分自身で他者の意識規定条件を「入れ子」のように解釈することで生じる内在的な力学として捉えられる。また、同調圧力が生じやすい日本社会の構造を「閉鎖性」「同質性」「個人の未分化」に特徴づけ、同調圧力と規範の関連について、認知された規範の拘束力の構成要素が「道徳論的観念」と「損得勘定」と「同調圧力」から成っていることを指摘した。最後に山本七平の「空気」の概念や鴻上尚史や佐藤直樹の「世間」の概念を検討し直し、同調圧力の力学的基盤の整理を行った。山本の「臨在感的把握」とは他者の意識規定条件を想定したことによって生じる行為主体の意識規定条件の肥大化を指している。また、人格としての「世間」の意識規定条件を想定することで「世間」の呪縛による支配を明確に図式化した。
講評 ややこしい社会学の基礎領域の問題を根気よくまとめている。きっと作者は社会学が好きになったのではないかな。
キーワード1 同調圧力
キーワード2 空気
キーワード3 世間
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