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学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 森 千香子 |
タイトル | パーソナル・ネットワークの視点から見た在日中国人留学生の進路選択と異文化適応の分析-在日中国人留学生のライフヒストリー調査を手がかりに- |
内容 | 日本に滞在する外国人留学生の中でも、中国出身の留学生はその数から最大の規模を誇る。在日中国人留学生に関する先行研究がたくさんあるが、ネットワークと異文化適応の視点から彼らの卒業後の進路選択を見る研究はまだ少ない。 本論文では在日中国人留学生に焦点を当て、彼らのパーソナル・ネットワークを中国中心型・日中混合型・日本中心型という3つの類型を分けて、それぞれの類型を言葉・心理・学業という三つの方面から異文化への適応程度を分析してみた。彼らは卒業後の選択にどのような影響を及ぼしているかを11人に半構造化インタビューを通じて考察した。結果として、日本中心型と日中混合型の在日中国人留学生は卒業した後は日本に定住する可能性が高く、その一方、中国中心型の在日中国人留学生は卒業した後は日本に定住する可能性は小さく、中国に帰国する傾向があることがわかった。今後、中国人留学生のさらなる増加とともに、パーソナル・ネットワークの多様化は可能になると思われる。 |
講評 | 在日外国人留学生のなかでも中国人留学生はきわめて大きな割合を占めることが知られている。しかし忘れてはならないのは、中国からの留学生が現代に始まったことではない点である。以上のような枠組みをふまえつつ、本研究は11人に対する聞き取り調査をおこない、現代の留学生の特徴を明らかにし、それを1980?90年代に来日した「第二次留学ブーム」当時の中国人留学生と比較する。後者が日中の賃金格差を背景とした日本での定住・就労を目的としていたのに対し、現代の留学生は名門校での学位取得や、海外での経験を(必ずしも日本に限られない)将来に活かしたいとの目的を持っていることが明らかになった。感染症拡大などの理由からインタビュー数が限定的であったため、今回示された仮説を今後の研究で実証することが期待されるだろう。 |
キーワード1 | 在日中国人留学生 |
キーワード2 | パーソナル・ネットワーク |
キーワード3 | 異文化適応 |
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