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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 森 千香子
タイトル 京都出身者は「京ことば」をどのように捉えているのか ―大学生と京ことばの活動をする方へのインタビューから―
内容  本論文では、共通語化の進行から伝統的な方言を日常的に使用する人が減少している一方で、方言の価値が上昇しているという一見、逆説的な流れに着目し、京都の方言である「京ことば」を京都出身者がどのように捉えているかについて検討する。京都出身の大学生と、京ことばに関わる活動をしている人の捉え方やその違い、そして共通の理解が存在するのかどうか、についてインタビュー調査を実施し明らかにする。調査の結果、活動をしている人たちは具体的に「京ことばとは何か」という答えを持っている一方で、大学生は話し方の雰囲気や話し手の年代、職業に由来する回答が多かった。そして、大学生の間でも、活動をしている人たちの間でもそれぞれの経験や家庭環境等が影響し、個人個人で異なる捉え方をしていた。メディアで取り上げられる一枚岩的なものではなく、世代や地域等でまとめることができないほど多様なものであることも明らかになった。
講評  本研究は、メディアなどでも取り上げられることの多い「京ことば」について、その話し手として想定される京都出身者がどのように捉えているのかを中心的な主題として問うている。大学生と京ことばの普及・保存活動を行うアクターへの入念な聞き取りを行い、「京ことば」に対して世代間で看過できない温度差があることや、「京ことば」についての住民間で共通の理解が不在であることを明らかにした点は、本研究の貴重な貢献だと言えよう。その一方、かつての首都で話されていたという、きわめて固有の歴史的背景をもつ「京ことば」がどのような点で、どのように他の方言と異なっているのか、という点について検討できれば、さらに「京ことば」への理解が深まっていくと思われる。
キーワード1 方言
キーワード2 京ことば
キーワード3 方言への意識
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