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学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 森 千香子 |
タイトル | 留学生限定型チャイナタウンは可能か―京都市伏見区深草の中国人留学生集住地域に着目して― |
内容 | 京都府京都市伏見区は、在留外国人統計によると、2020年12月末時点で京都市区内最多の在留外国人数を誇る。なかでも多く居住しているのが中国人であり、特に伏見区内の深草には、中国人向けの日本語学校が2校あることを背景に多くの中国人留学生や中国エスニック・ビジネス事業所が集積している。これをふまえ、筆者は本研究において深草を「留学生限定型チャイナタウン」として、その特徴や形成の可能性を分析および考察した。結果、他のチャイナタウンとの共通点や、エスニックタウン分類モデルに該当する特徴を有することから、深草はすでにチャイナタウンの形成初期から中期に位置することが明らかになった。しかし、深草に居住する中国人のボリューム層が一時滞在的な性質を持つ留学生であることを考えると、チャイナタウンとして今後さらなる発展を遂げるかどうかは、人的ネットワークやビジネスの拡大に対する華僑・華人たちの動向と意欲にかかっている。 |
講評 | 本研究は、中国人留学生向けの飲食店の集積が著しい、京都市伏見区深草地域に注目し、その形成過程と構造を明らかにし、日本の他の中国人集積地域との相違を比較検討した。 三大中華街のようなオールドチャイナタウンが老華僑中心に形成されてきたのに対し、池袋などのニューチャイナタウンは新華僑中心の構成となり、この点は深草もそうであるが、永住者の不在と中核的組織の不在が深草を特徴づけ、こうしたなかで日本語学校がハブとして重要な役割を担っている。本研究は、このような深草の特徴を明確に整理し、三大中華街とも池袋とも異なる「留学生限定型チャイナタウン」という新たなチャイナタウンの類型を示し、その可能性と限界を示したことで、チャイナタウン研究に新たな地平を切り開いた。 |
キーワード1 | チャイナタウン |
キーワード2 | エスニック・ビジネス |
キーワード3 | 在留中国人 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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