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学科 社会学科
年度 2021
ゼミ名 立木 茂雄
タイトル 児童虐待の社会構築主義的研究-兵庫県明石市の長期親子分離事例をもとに-
内容 本研究では、児童虐待をテーマとして、児童虐待事例の社会構築主義的研究を行う。児童虐待は、悲惨な虐待死事件や相談件数の増加などが報道されることで、社会問題としてのイメージが浸透し、児童相談所の体制強化をはじめとする社会的な対策が急務とされるようになってきた。こうした児童虐待問題は社会学において社会構築主義の立場から研究されており、児童虐待の社会問題過程とその影響を明らかにしてきた。本研究では、先行研究で検討されてこなかった事例として、虐待疑いによる長期親子分離の一事例を取り上げ、メディア報道の分析からその事例に対するメディアの問題構築のあり方を明らかにしようとした。分析の結果、対象事例におけるメディアの問題構築のあり方は三段階に分類された。また、それらはクレイム申し立ての段階や政策形成の段階の影響を受けている他、メディア報道の段階が他段階に影響を与えうるということが示唆された。
講評 兵庫県明石市で起きた児童虐待疑いおよびそれに伴う長期親子分離の事例を取り上げ、マスメディアによる社会問題としての現実構築過程について研究しました。この事例について扱ったメディア報道記事を広く収集し、市・県の対応やメディアによる戦略的な立場選択との関連にも触れつつ、メディアの問題構築のあり方を分析しています。さらに、本人がオブザーバー参加した児童相談所職員向けのワークショップの結果もあわせて考察することで、問題の現実構築をより立体的に浮かび上がらせており、学術論文として出版できるレベルの力作となっています。
キーワード1 児童虐待
キーワード2 長期親子分離事例
キーワード3 社会構築主義
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