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学科 | 社会学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 立木 茂雄 |
タイトル | 観光スタイルと文化資本の関連性 |
内容 | 近代以前における観光とは、一部の階級の人にのみ許される行為であったが、近代以降、観光はガイドブックやパッケージ旅行の出現、交通網の整備、低価格化によって大衆化した。その結果、階級に限られず、誰でも旅行ができるようになった。だが、これらの社会状況に伴って、あらゆる階層間の差異が消失したと直接的には結び付けることはできないだろう。社会階層間の差異は、「観光をする/しない」ではなく、「どのような観光をするのか」といった、観光の内容をめぐる差異と変容してきたのである。その結果、筆者が作成した22項目の観光スタイルと、普段の文化活動の潜在因子である身体化された文化資本との間に相関関係が見られるものがいくつか見つかった。このことからどんな旅行先を選ぶのか、観光地でどのようなことを重視するかは、単なる観光者の生得的な好みではなく、観光者が生まれ育った環境や後天的に育まれる文化資本と少なくとも関係があると考えられる。 |
講評 | 「異文化を理解・体験する」「ロケ地やSNSでの名所を巡る」といった観光スタイルが、どのような身体化された文化資本として捉えられるのかを調査しました。アーリの観光論やその他の観光研究を参照しながらも、自分なりのリサーチクエスチョンを形成するのに大変苦労しました。しかし、蓋を開けてみれば、旅行先で何かを学びとることを目的とする道具的(instrumental)な高級・中間文化的観光スタイルと、旅行自体を目的とする自己充足的(consummatory)な大衆文化的観光スタイルに分けられることを示唆する興味深い結果を導いています。本人が生活するなかで感じた疑問から社会学的な考察に結びつけるという卒論の好例になったと思います。 |
キーワード1 | 観光者類型 |
キーワード2 | 身体化された文化資本 |
キーワード3 | 文化序列 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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