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学科 | 社会福祉学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 小山 隆 |
タイトル | 日本の社会的養護のあり方に関する検討-里親制度を中心に- |
内容 | 近年、児童虐待が社会問題として深刻化している。増加の一途をたどる要保護児童に対して、本論文では「子どものしあわせ」をテーマに社会的養護のあり方について検討した。 現在、日本は「施設養護」から「家庭的養護」に大きく方向転換しようとしている。2017年には「新社会的養育ビジョン」によって「家庭養育原則」が提言された。しかし、家庭で育てば必ずしあわせになれるのだろうか。里親委託されたらしあわせは保障されるのだろうか。施設で育った子どもはしあわせではないのだろうか。 本論文では以上の内容を4章にわたり考察した。第1章では、社会的養護の現状について分析した。第2章では、日本における里親の位置づけの変遷および里親委託が伸び悩む要因・各地域での取組みについて考察した。第3章では、国際比較をもとに日本でも起こりうる里親制度が抱える課題について指摘した。第4章では、第1,2,3章をふまえたうえで、施設と里親を比較検討し、筆者の考える「社会的養護のあり方」を提言した。 |
講評 | 社会的養護のあり方の世界的標準ともいえる「里親」制度がなぜ日本で普及しないのかという問題意識を出発点にした研究である。 国の「新しい養育ビジョン」を引きながら日本においても施設養護から家庭養育原則へと「あり方」が転換されたことを紹介したうえで、本当に里親は施設養育より優れているのか、また里親養育に課題はないのかについて検討している。 里親制度に長所があることは当然ながらも、里親委託率の高い国では、子どもが里親の間を転々とすることが強いられる「フォスタードリフト」の問題があること、また委託解除後の逮捕歴など予後が里親中心のアメリカのデータが施設養護中心の日本よりはるかに悪いことなどを明らかにし、ただ「里親」に任せればよい結果が生まれるわけではないことを指摘している。 |
キーワード1 | 社会的養護 |
キーワード2 | 里親委託 |
キーワード3 | 施設養護 |
キーワード4 | 児童福祉 |
キーワード5 | |
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