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学科 社会福祉学科
年度 2009
ゼミ名 木原 活信
タイトル 高齢者施設での「音楽」の位置づけ ―認知症高齢者のQuality of Lifeの向上を目指して―
内容 現在高齢化が進んでいるが、その中で私は「高齢者により良い生活を提供したい」と考えている。それを実現するためには、職員の介護の質なども重要ではあるが、この卒業論文では、高齢者一人一人の「生きがい」や「趣味」を大切にするということを重要視し、近年注目を集めるようになってきた「音楽療法」について取り上げた。
ここでは療法として使用される音楽だけでなく、その他のあらゆる音楽を「音楽」として広義に捉えた。そして、京都府内と奈良市内の高齢者施設にアンケート調査を行い、普段どのように施設の中で「音楽」が使われているのか、また音楽を使うことによって認知症高齢者にどのような効果や変化があったか、などの質問をし、その回答から「音楽」が認知症高齢者に与える影響を分析・考察し、誰もが親しみをもっている「音楽」を施設での生活の中に取り入れることで、高齢者のQuality of Lifeの向上、改善に貢献することを示した。
講評 今年は、福祉領域のなかでも、差別問題にかかわる原理的課題、海外の福祉教育という国際的な視座をもった課題、ターミナルケアにかかわる死の課題、児童、障害、高齢者、精神保健、病の課題、とかなり広がりがあるものでした。古くて未だ客観的な答えのない「生老病死」という本質的な課題に集約されるように思います。具体的には、少年非行、学校という児童の成長発達のための生きるという「生」の課題、がん等の「病」のケアの課題、認知症、施設入所のお年寄りのケアという「老」いの課題、そして在宅ホスピスのケアという「死」という問題です。こうした「生老病死」という課題を皆さんのような若い新鮮な視点で直視しつつ、それを抽象的な議論ではなく、福祉ケアという視点と社会的問題として関連づけ、それぞれがひきつけて必死でとらえていたように思います。それを他人事ではなく、自分自身の問題として取り組む姿勢が見られ、そのことは感銘を受けました。なかには、論理構成においても、学部の卒業論文でありながらも、大学院の修士論文顔負けの本格的な議論を正面から格闘して論理的にも展開しているものもあり、まことにたのもしい限りでした。
キーワード1 音楽療法
キーワード2 認知症高齢者
キーワード3 Quality of Life
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