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学科 | メディア学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | テレビCMが描く新型コロナウイルスと日本人の価値観 |
内容 | 本論文は、テレビCMの表象をもとに、新型コロナウイルス感染状況下の日本社会の意識の変化を考察するものである。 コロナ禍で放映されるCMには、従来の災害対応CMにはない表現が見受けられる。東日本大震災時には犠牲者を哀悼する静かな作品が多数を占めたが、コロナ禍では日常の「小さな幸せ」に焦点を当てた前向きなものが多い。家族や健康といった身近な幸福を重視する人はコロナ禍を機に急激に増加しており、CM表象はまさに世論を反映した鏡だといえる。にもかかわらず、コロナ対応CMへの評価は必ずしも高くはない。むしろ視聴者から好意的に受容されるのは、感染症流行という社会状況を全く感じさせない明るくキャッチ―なCMである。新型コロナの流行は半ば強迫的に私たちに変化を強いた。今までの日常はもう戻ることはなく、変化には痛みも伴う。その苦痛を少しでも和らげるテレビCMに、人々は好感を抱いているのではなかろうか。 |
講評 | 有事における広告の社会的役割を、コロナ禍のCMを「コロナ対応CM」と定義し、そのメッセージ内容の質的分析を通じて明らかにした。CMを5種類に分類し、特徴的なCMについて、分類に応じた具体例についての丁寧な言語・映像情報の分析を行うとともに、スペイン風邪の時代の広告の特徴との比較、さらに東日本大震災の際のCM好感度ランキングも視野に入れ、広告に対するツイッター上の反応も含めて考察した本研究は、コロナ禍に生きる学生の視点をいかしつつ、複数の世論調査も参照して、個人の感想に陥らないコロナ禍のCMについての同時代的研究として意義深い。コロナCMの社会的意義を日常的な幸せ感の共有と指摘した本論文は、CM評論ではなく、 豊富な一次資料を駆使した実証的CM研究として高く評価できる。 |
キーワード1 | 新型コロナウイルス |
キーワード2 | 災害 |
キーワード3 | テレビCM |
キーワード4 | 広告 |
キーワード5 | メディア |
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