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学科 | メディア学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 佐伯 順子 |
タイトル | 『おっさんずラブ』から見る、現代の男性同性愛者表象 |
内容 | 近年、LGBTなどの性的マイノリティの人たちへの社会的関心が高まっていると一般的には考えられているが、LGBT問題を他人事と捉えてしまっている人も一定数存在する。当事者が抱える課題感を啓発していくことが、平等な社会実現に向けたきっかけになるとも考えられており、企業や学校、自治体などLGBTに対する取り組みを行っているところも多くある。そのような社会の変化を受けて、性的マイノリティを主要な人物もしくは主役に据えたテレビドラマが次々に放送され始めた。2018年以降、社会的を巻き起こした『おっさんずラブ』を筆頭に、LGBT問題をテーマとしたテレビドラマが多く制作された。本稿では、セクシュアルマイノリティの中でも男性同性愛者に注目し、男性同性愛者が登場する『おっさんずラブ』を含めたいくつかの作品を対象に、テレビドラマの中で男性同性愛者がいかに描かれているのかを分析する。 |
講評 | 男性同性愛の当事者を描く良質なコンテンツが生まれた2018、19年の日本のドラマに注目し、『おっさんずラブ』を中心とした同時期の複数のドラマをケーススタディとして質的分析を行い、テレビドラマの先行研究もふまえ、当事者がオンラインで発信するサイトの内容やLGBTQに関する意識調査も参照して、ステレオタイプに陥らない男性同性愛者像と多様性を認める家族像がドラマに描かれていることを明らかにした。海外ドラマとも比較し、偏見に苦しまない当事者の姿を描く先駆性を研究対象にみいだすとともに、海外ドラマのような日常的描写を増やすことが日本ドラマのLGBTQ描写の課題と結論づけた。複数のドラマを比較検討しつつも、ドラマ批評とは異なる学術的、質的なドラマのメッセージ分析を行い、先行研究や周辺資料も適切に参照した本論文は、ジェンダーとメディア研究の進展に寄与する優れた成果である。 |
キーワード1 | おっさんずラブ |
キーワード2 | 男性同性愛者 |
キーワード3 | 同性愛 |
キーワード4 | テレビドラマ |
キーワード5 | LGBT |
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