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学科 メディア学科
年度 2021
ゼミ名 小黒 純
タイトル コロナ禍における若者・女性の孤独・孤立に関する新聞報道 ―緊急事態宣言発令から1年間の内容分析―
内容 2019年12月に武漢で確認された新型コロナウイルスが世界中に猛威を振るい、経済や生命だけでなく、人々の暮らしに悪影響を及ぼしている。その中の1つに、孤独・孤立を原因とした若者、女性の自殺率が増加した。政府は、その問題を総合的に解決しようと、2021年2月12日に「孤独・孤立対策室」を設置した。
これまでの孤独や孤立に関する報道は、高齢者の孤独や独居の孤立などを取り上げるものが多く、若者や女性を扱うものが少なかった。そこで本研究は、緊急事態宣言が発令された2020年4月7日から1年間で、孤独・孤立を扱う記事においてどのような変化が起きたのかを明らかにする。
 朝日新聞を用いて内容分析を行った。その結果、孤独について、時期に応じて報道内容や専門家、取材対象者の声に、孤独への捉え方に関する変化が起きていることが分かった。一方、孤立について孤独と同様、社会的変化は見られたが、専門家、取材対象者の声に変化は見られなかった。両方の記事で、取材対象者の声が孤独・孤立と「自死」に関連付けて述べているものは著しく少なかった。
講評  卒論に取り組んだゼミの学年は、2020年初頭から新型コロナウイルスの拡大によって、約2年にわたり大学生生活をメチャクチャにされてきた。それでも、2021年の秋学期はほぼ毎週、教室での授業を開いた。自分なりに卒論のテーマを見つけ、何とか研究の形にしていこうとする姿勢は尊いものだった。苦しい日々をともに過ごしたゼミ生たちには、感謝の言葉しかない。
 欲を言えば、コロナ禍で社会全体のシステムがまともに機能していない現実を直視し、見出したテーマがもっと並んでもよかった。政府や自治体の責任は大きい。これだけ苦しめられたのだから、メディアを含め、変えていかなければならない課題に気づき、問題に迫る研究テーマを見出す。社会学部で学んだ以上、何かしらの社会問題をあぶり出す気迫は、これからも求められる。
 卒論を通して学ぶ機会はできるだけ確保した。2021年度は火曜日の4限がゼミの時間だった。まず、ゼミのSlackをフル稼働させ、リモート・オンラインでも十分対応できる態勢を整えた。秋学期は、10月と11月に2度の中間発表を、取り組みの節目となるように開催した。それ以外にも工夫を凝らした。
 2限?昼?3限と、ゼミに続く、5限に「卒論教室」を、毎週確保した。当番制にし、オンラインでも参加者を募るようにした。
 また、ゼミ生からの提案で、火曜日と日曜日を除く週5日、毎日1時間以上の「オンライン自習室」を開室した。これも当番制で、1日どこか都合のつく時間帯を担当者が決めて、Zoomで開いた。
 さらに、指導教員との個人面談を、9月末から12月まで、1人1回30分で1日4コマ、週2日のペースで開いた。数えてみると、延べ65コマ開催していた。
 締めくくりは、恒例の卒論合宿。前年度の引き続き、12月初旬、新町キャンパスでの「日帰り合宿」を敢行。昼・夕食、スナック付きのイベントに、ほとんどのゼミ生が顔を見せ、盛り上がった。
 以上のように、思う存分取り組める環境は整っていたはずだ。それをどれだけ自分のものにできたかは、コロナ禍という制約があるにせよ、それぞれの心構え次第だったと言えよう。
キーワード1 新聞
キーワード2 孤独
キーワード3 孤立 
キーワード4 自死
キーワード5 内容分析
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