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学科 産業関係学科
年度 2021
ゼミ名 阿形 健司
タイトル 韓国の大企業と中小企業の格差が若年層の雇用に及ぼす影響
内容  韓国では以前から若年層の就職難が問題視されている。その主な原因として、学歴社会問題の深刻さと大企業と中小企業との間の格差が挙げられる。筆者は大企業と中小企業との間の格差が生じることにより、良質の勤務環境が提供される大企業を優先し、数の少ない大企業を目指して就職活動を希望するため就職活動の競争が激しくなり、その結果学歴や資格が重視される社会の問題が深刻になるという負の連鎖が続いていると考える。
 現在の韓国では大企業と中小企業の間で賃金、福利厚生、勤続年数の面で大きな格差が生じている。また、若年層は求める就職先として大企業を優先している。そのような大企業を優先する認識により、中小企業では逆に求人難に陥る企業も少なくない。実際に中小企業の製造業の中で人手不足である企業は全体の5分の1以上であることが分かった。また、採用が難しい理由としては中小企業に対する否定的認識が最も多いということも分かった。
 このように大企業と中小企業の待遇の格差は単なる待遇の格差で終わるのではなく、学歴社会、中小企業の求人難にも影響を及ぼしており、若年層の就職難をより深刻にさせ、若年層の雇用に大きな影響を及ぼしている。
講評  今年度は10名の「卒業論文」登録者があり、全員が卒論を提出できたことを嬉しく思います。よそから調達したのではなく、各自の経験や思考から導き出した問題関心に基づいて情報を集め、整理し、それらに基づいて論理的に自らの主張を展開できたとすれば喜ばしいことです。本年度は、一次資料を活用した論文、多角的に二次資料を集めて検討した論文など独自性に富んだ卒業論文が多かったことは特筆すべきでしょう。
 一方で、個別の卒論を精査すると、卒業研究に費やした時間と労力に応じた出来映えであったことは否めません。誇るべきところは誇り、反省すべきところは反省していただくとよいでしょう。卒論の提出をもって十数年にわたる学校教育を修了することになりますが、社会に出てからも学び続けることが重要です。皆さんにとって、このたびの卒論がその出発点となることを期待して講評の言葉といたします。
キーワード1 韓国
キーワード2 若年層
キーワード3 就職難
キーワード4 学歴
キーワード5 企業間格差
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