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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 阿形 健司 |
タイトル | パートとアルバイトの賃金格差はどうして生じるのか |
内容 | 本稿は、筆者がアルバイト先で起こっているアルバイトとパートの不合理な格差に疑問を抱いたことから出発し、なぜ同じ仕事をしているのに格差が起こりそれが是正されないのか、その実態を明らかにすることを目的としている。現在日本では「同一労働同一賃金」という原則が厚生労働省により掲げられているが、それは正規・非正規労働者間の格差を禁じたもので、非正規労働者間の格差は禁じられていない。そのためパートとアルバイトの賃金格差は横行していると考えた。 企業側としては、学生は稼ぎすぎてしまうと親の扶養から外れてしまうため、できるだけ多くの時間シフトに入ってもらうには時給を低く設定せざるをえないのかもしれない。他にも様々な観点から考察した結果、賃金格差問題は、①賃金格差問題への若者の関心が低いこと、②「同一労働同一賃金ガイドライン」は正規労働者と非正規労働者の間にのみ適用されること、③日本の賃金制度である職能等級制度が曖昧性を帯びていることなど、様々な問題が積み重なった上にある問題だと考えた。格差をなくすには前述した①?③の特徴を1つ1つ見直していくことが必要となるだろうが、特に「同一労働同一賃金ガイドライン」の適用範囲拡大は、学生アルバイトへの認知度向上と問題意識の植え付けの点で今後最も重要になってくると筆者は考えている。 |
講評 | 今年度は10名の「卒業論文」登録者があり、全員が卒論を提出できたことを嬉しく思います。よそから調達したのではなく、各自の経験や思考から導き出した問題関心に基づいて情報を集め、整理し、それらに基づいて論理的に自らの主張を展開できたとすれば喜ばしいことです。本年度は、一次資料を活用した論文、多角的に二次資料を集めて検討した論文など独自性に富んだ卒業論文が多かったことは特筆すべきでしょう。 一方で、個別の卒論を精査すると、卒業研究に費やした時間と労力に応じた出来映えであったことは否めません。誇るべきところは誇り、反省すべきところは反省していただくとよいでしょう。卒論の提出をもって十数年にわたる学校教育を修了することになりますが、社会に出てからも学び続けることが重要です。皆さんにとって、このたびの卒論がその出発点となることを期待して講評の言葉といたします。 |
キーワード1 | 賃金格差 |
キーワード2 | 非正規雇用 |
キーワード3 | 同一労働同一賃金 |
キーワード4 | |
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