詳細 | |
---|---|
学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 阿形 健司 |
タイトル | アニメ制作におけるアニメーターの労働問題 |
内容 | 昨今のアニメ市場は活気に満ちており、2020年に「鬼滅の刃」が大ヒットし、社会現象を巻き起こしたのは記憶に新しいのではないだろうか。そのような多くのアニメ作品を世に送り出しているのが所謂アニメーターと呼ばれる職業である。しかし、世間一般的にはアニメーターという職業は低賃金や長時間労働などの問題がはびこるブラックな職業であるという認識が強い。ただし、アニメーターといっても、担当する工程によって給料や労働環境の水準は大きく異なっており、アニメーター全体がブラックというのは語弊があると考えている。 アニメ制作は多くの工程が作業を分担して行う分業構造で成り立っている。その中でも初期キャリアでもある動画工程、多くのアニメーターが担当している原画工程などといった、作業工程の総称である作画工程は、世間一般的なアニメーターのイメージに比較的近しいものがあるように考えている。そこで本論文では現状のアニメ制作において、主に作画工程のアニメーターが抱えている労働問題とそれらの問題の改善案について考察をしていく。 考察の結果、「初期キャリアにおける低賃金」と「制作作品数の多さによる制作キャパシティの限界」が、特に優先して改善していくべき問題であると結論づけた。この二つの問題が、アニメーターの低賃金・長時間労働という問題の核心に位置していると考える。 |
講評 | 今年度は10名の「卒業論文」登録者があり、全員が卒論を提出できたことを嬉しく思います。よそから調達したのではなく、各自の経験や思考から導き出した問題関心に基づいて情報を集め、整理し、それらに基づいて論理的に自らの主張を展開できたとすれば喜ばしいことです。本年度は、一次資料を活用した論文、多角的に二次資料を集めて検討した論文など独自性に富んだ卒業論文が多かったことは特筆すべきでしょう。 一方で、個別の卒論を精査すると、卒業研究に費やした時間と労力に応じた出来映えであったことは否めません。誇るべきところは誇り、反省すべきところは反省していただくとよいでしょう。卒論の提出をもって十数年にわたる学校教育を修了することになりますが、社会に出てからも学び続けることが重要です。皆さんにとって、このたびの卒論がその出発点となることを期待して講評の言葉といたします。 |
キーワード1 | アニメーター |
キーワード2 | 初期キャリア |
キーワード3 | 動画工程 |
キーワード4 | 作画工程 |
キーワード5 | 労働問題 |
戻 る |